第12回 安西慎太郎の一途 前編
一度、心が折れました、と静かに言った。
それは、とても重いことばだった。
やすやすと使ってはならないことばではないか?
けれど、本当にそのときはどうしていいのかわからなくなったのだ。
心は見えない、けれど確かに磨り減るし、傷つくし、ときに壊れる。
でも、だからこそ、治る。
偶然出会った作品に心惹かれて、新たに目指す先を見つけた。
見つけたからには進まねばならない。
努力を糧に、刺激を力に、めきめきと。
そうして、一歩を踏み出したのは舞台という名の、板の上。
今、ここに深く根を下ろし、どこまで伸びやかに。
迷うこと無く。
安西慎太郎 あんざい・しんたろう
1993年12月16日生まれ、神奈川県出身のA型。現在、21歳。
2012年、舞台「コーパス・クリスティ 聖骸」(青山円形劇場)でデビュー。
2013年には、WBB vol.4『川崎ガリバー』(青山円形劇場)、『合唱ブラボー! 〜ブラボー大作戦〜』(CBGKシブゲキ!!)、第21回読売演劇大賞受賞作品『エドワード二世』(新国立劇場小劇)に出演。同年12月よりミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで四天宝寺・白石蔵ノ介役を演じ脚光を浴びる。
2014年12月に『聖☆明治座・るの祭典~あんまりカブると怒られちゃうよ~』(明治座)、今年、2015年2月に舞台版『心霊探偵八雲 祈りの柩』(新国立劇場小劇、ABCホール)、4月には『ドン・ドラキュラ』(AiiA 2.5 Theater Tokyo)に出演。
5月には、舞台「戦国無双」関ヶ原の章(シアター1010)で初主演を務める。
同じく5月に『滝口炎上』(明治座) 、8月には舞台『K』第二章-AROUSAL OF KING-(AiiA 2.5 Theater Tokyo、大阪メルパルクホール)と立て続けに出演。
9月には、舞台『武士白虎 もののふ白き虎−幕末、「誠」に憧れ、白虎と呼ばれた若者達−』(天王洲 銀河劇場、アートピアホール、シアター・ドラマシティ梅田芸術劇場)で再びの主演を控え、このほど来年4月に舞台『ARCADIA アルカディア』 (Bunkamuraシアターコクーン、森ノ宮ピロティホール)の出演が発表された。
・リンク
ネルケプランニング
ミュージカル『テニスの王子様』公式
舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』
・舞台版『心霊探偵八雲 祈りの柩』DVD ¥5,800
9月11日(金)12:00~より通常販売開始!
2015年9月17日(木)より天王洲 銀河劇場 にて開幕
10月1日(木) 名古屋アートピアホール
10月3日(土)~4日(日) 大阪 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
・安西慎太郎さんサイン入り写真を抽選で1名にプレゼント。
応募は、こちら、からどうぞ。
締め切りは、10月31日(土)23時59分まで。感想などお寄せください。
心折れて目指した先
──この世界に入ったキッカケを伺います。
安西:高校のときに演劇をやっていて、今の事務所に声をかけていただきました。ただ、最初から志していたわけではなく、小さいころからいろいろな夢があって、その都度変わっていきましたが、なかでもずっと野球が好きで時間があれば友だちとバッティングセンターに行ってと、野球ばかりやっていたんです。
でも、怪我をして辞めてしまった……そこで一度、心折れてしまうんですが、子どもが好きだったので新たに保育士を目指そうと決めて。そのときは保育士がいちばん魅力的に感じていたところに、映画『ギルバート・グレイブ』(1993年/米)を観てしまったんです。
──どうしてご覧になったのでしょう。
安西:たまたまです、本当にたまたま。ある日、友達の家で遊んでいて、テレビゲームをしていたんですがカセットがダメになっちゃって。じゃあ、なにか観ようという話になって選んでくれました。
当時、通っていた高校が演劇に力を入れている学校で、ぼくもパフォーマンスコースに通っていたので、友だちも映画とかに詳しくて「レオナルド・ディカプリオって知ってる?」と聞かれて。「おもしろいから」と言われて観たら、すごかったんです! ディカプリオさんのアーニーという障害を持った弟が本当にすごくて……。調べたら、ぼくと同じ17歳であの役を演じていた……それだけの人生経験でいったいどこからあれほどの表現が引き出されるのか、どんなふうに創り上げたのかと驚いてしまって。
──旅立ちの物語でもあり、家族の話でもありました。
安西:だからよけいに繰り返し観てしまうんですよね。最初はとにかくジョニー・デップさんやディカプリオさんの演技に圧倒されていて、再度観て、ようやく物語やそれぞれの役に込められたメッセージを受け取って、ああ、家族っていいなあ、と思って、また観てしまう。
──ひとつの作品との出会いで人生を選択する……それはとてもすてきです。そもそも、なぜパフォーマンスコースに?
安西:自分を変えたかったんです。人前に出ることはきらいではなかったけれど、得意ではなくて……怪我で先がわからなくなっていたときに、この高校見学に来て、やっていたパフォーマンスを観て涙が止まらなくなって……自分でもやってみたくなったんです。
それで進学しましたが、先生の「とにかく明るく、人の前に立つことを楽しむ」、「ピンチこそチャンスに変えろ」といった教えについていったら、緊張もほどけて楽しめるようになりました。そのころ、この映画に出会い、声をかけてもらって心を決めました。
──迷いはありませんでしたか?
安西:最初は、「ぼくでいいのかな」という気持ちがありました。でも、機会を与えてもらえたならやってみようと思いました。
──ご家族の反応は?
安西:母はもともとパフォーマンスコースに進んだことを応援してくれていたので、すごく喜んでくれました。父も自分の好きな道を進みなさい、と言ってくれて、家族みんなが応援してくれて、それがまた、一層の力になっていきました。
心を解放するために
──2012年9月に初舞台『コーパス・クリスティ 聖骸』に出演、デビューを飾ります。上演は惜しまれつつも閉館した青山円形劇場でした。
安西:今でもはっきり覚えていますが、お芝居も含めなにもかもが、どうしたらいいのかわからなくて。自分のなかにあるものをどう出していいのかもわからなくて、もっと言えば、自分のなかになにかがあるのかどうか、すらもわからなくて。
でも共演者の方々がすごく受け止めてくれて助けてくれたんです。なかでも、脚本の訳と演出を手がけた青井陽治さんが、稽古のときからぼくのなかに秘めていたものを探しだし、外に出してくれました。だから初日を迎えてからも、心地よい緊張感と楽しかったという記憶ばかりです。
──どんなことを学んだのでしょう。
安西:いろいろな演出家の方がおられますが、青井さんはとにかく引き出してくださる方でした。ぼく、最初のころは緊張でがちがちになっちゃって、なにもできなかったんですね。
でも、そのときに「心を解放して」ということをずっと言ってくれて。それはもちろん相手役に対してだし、観客の方々に対しても同じことだと。客観的に見たときに「心を閉じながら芝居してるな、と見えたらダメなんだよ、だから心を解放して演じなさい」と言ってくださって。具体的な方法を教わったわけではないんですが、そのことばですごく気持ちが助かりました。
──青山円形劇場はその名の通り舞台が客席に囲まれていて、役者にとっては全身、観られてしまう怖い劇場だったとか。
安西:稽古場にいる時から話は聞いていて、自分なりにイメージはしていました。でも、実際に劇場に入ってみると想像以上に客席は近いし、本当にすべての方向から自分の姿が見えてしまう場所でした。
でも、だからこそ最初に立ったのが、青山円形劇場でよかったと感謝しています。あの空間だったからこそ、今、他の劇場に立ったときでも前にも後ろにも意識を飛ばす、集中する、といったことを心がけていられるんだと思います。
──初舞台を終え、感極まって泣くといったことは……。
安西:必死だったのでよく覚えていませんが、たぶん舞台上では泣かなかったと思います。でも、家に帰ってからこっそり泣いたかもしれません……初めてお手紙をいただいたりといろいろな経験をさせていただきましたが、すべての方にありがとうございますという感謝だけがありました。
改めて役者を続けようと決意したし、とても楽しい気持ちで初舞台を踏ませていただきました。ただ、そのうちに果たして自分がやっていることが本当にお客さまに届いているのだろうかといった不安も生まれましたが、続けていくという気持だけは変わりませんでした。
心を役にそえて
──2013年12月から、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの四天宝寺中テニス部部長、白石蔵ノ介役を射止め、 青学(せいがく)vs四天宝寺に出演します。
安西:もともと原作の漫画もアニメも大好きでなかでも白石がいちばん好きだったから、決まったときは本当にうれしかったです!
すばらしいキャスト、スタッフの方々とともにいちばん好きな作品に出演できる。それだけでなく、いちばん好きな役を演じられる……そこに、プレッシャーもありましたが、だからこそがんばらなくちゃいけないと思ったし、絶対に観てくださった方々に「この白石はすてきだな、安西くんでよかったな」と喜んでもらえるように演じたかったし、2.5次元と言われる舞台として、原作を大切にしなければならないと思いました。
──ご自身にとって初の「2.5次元舞台」でした。
安西:それも歴史があって完成度が高い舞台なので、原作を研究して、ぼく自身も完成度の高い白石を届けたいと思いました。
──ご自宅の鏡の前で白石の決め台詞「絶頂(エクスタシー)」の練習を……?
安西:それはもう! ものすごくしました(笑)。それまであまり鏡を見ることがなかったんですが、意識的に鏡を見る癖が付いたというか、自分の表情がどう見えるかを意識するようにもなりました。
──同世代の方々と切磋琢磨した舞台だったかと。その福岡公演最後の夜に、財前 光役の佐藤流司さんと熱い話をしながら手羽先を折ってもらったというトークがありました。
安西:ありました! ものすごくきれいに折って食べていたんです。ぼくも手羽先は折って食べるということは知っていたし、もちろんできるんですが、あまりにきれいなので思わずお願いしちゃいました(笑)。そうしたら、すごく面倒くさそうに、でもきれいに折ってくれました。そのときも熱い話というか、作品の作りかたや、演じる役について話していたんですが、ふたりでいるときは芝居の話ばかりしていましたね。
役に没頭しつつも客観的な視点を持ち、今、メンバーがどう見えているか、観客としてどう見たいか、さらには作品がどう見られているか、ということまで考えて動く……そんなことを話し合って、ものすごく刺激になりました。
──ちなみに地方公演でのホテルのインロックが一番多かった……というお話が。
安西:あー……そうなんです……(笑)。慣れてなくて鍵を持って出る、というのを忘れちゃうことが多くて。部屋に誰かが遊びにきていて、そこに電話がかかってくると「ちょっとごめんね」と携帯だけ持って外に出て話しているうちに、部屋に来ていた人が帰っていてドアが閉まっていたりとか。あと、ぼく、呼ばれるとうれしくてすぐ部屋を飛び出しちゃうんです。それでメンバーの部屋で話し込んで、帰るときになって、「あ……鍵持ってこなかった」って。もともと話すことが好きだから、つい夢中になっちゃってホテルの人にすごく迷惑をおかけしました。
──舞台史上初の四天宝寺中学校男子テニス部監督の渡邊オサム役で出演した、君沢ユウキさんの存在が大きかったという話もありました。
安西:本当に大きくて、ありがたかったです。今でもみんなで話しますが、君沢さんは常に優しくて厳しくて……稽古場でも本当に厳しくて、ぼくはもう、何度泣かされたことか。
でも、初日の幕が開いたあと、舞台袖で声をかけてくれて。なんてことないことでしたが、その声とか様子から、ああ、これまでの厳しさは愛情だったんだな、とものすごく感じました。
──その、厳しさとはどういったことでしょう。
安西:君沢さんも全体を見渡せる方で、常にメンバー全員のことを考えてくださっていて。でも、ぼくは視野が狭くて目の前のことしか見えなくなっちゃうタイプだったから「慎太郎がチームをまとめなくちゃいけない」と言われ、「白石のこういう部分が足りていないんじゃないか」、「みんなにとっての白石はこうじゃないか」ということを常々、ことばにしてくれて、だからそこに追いつけない自分がもどかしくて苦しくて。
──初日を迎えていかがでしたか?
安西:最初、客席を観たときは、ぼくらもですが、お客さまも緊張している空気がすごく伝わってきて……「待ってました、四天宝寺公演!」といった空気をひしひしと感じました。でも、お客さまの前で初「絶頂(エクスタシー)」を披露した瞬間はとても気持ちよくて。やっと、ぼくの白石を見せる日がきたという喜びにあふれました。ただ、ようやく初日を迎えられただけで、この先はまだまだあるので安心せずに白石を磨いていかなければならないとも思いました。
──卒業公演となったミュージカル『テニスの王子様』コンサート Dream Live 2014ではさいたまスーパーアリーナという大舞台でソロの曲も歌い、堂々とした姿を披露しましたが、演じたことへの手応えは感じましたか?
安西:……実は手応えとか、自分ができていたかどうかとか、未だにわかりません。ただ、すごく強く感じたのは、みなさんの『テニスの王子様』への、そしてキャラクターへの愛情です。なので、そこに少しでも応えることができるよう、全力を尽くしました。
心を解放できたあとに
──今年は立て続けに舞台に出ていますが、2月11日から上演された舞台版『心霊探偵八雲 祈りの柩』の宇都木賢人役が実に印象的でした。
安西:ぼく自身もいただいた役を知って、驚きました……。すでに、ミュージカル『テニスの王子様』で一緒だった、ひでくん(久保田秀敏)が主演で上演されてきた舞台だったので、そこに参加できることは楽しみでもあり、緊張や怖さはありました。
原作の神永学先生から「期待してるよ」ということばをいただいたことがうれしくて、演出の伊藤マサミさんがいい意味で「好きにやって」、「自分が脚本を読んで、心に感じたことや思うことを自由に出して」という方だったので、全部を出していきました。伊藤さんはダメなところはダメと指摘したうえで、すごく細かいところまで気付いて褒めてくださる方だったのでとても支えていただいたし、ぼく自身もすごく楽しんで演じることができた舞台でした。
──とても落差の大きい役でした。
安西:宇都木賢人くんは強く執着する人で、ひとつのことに向かうと回りが見えなくなる……という点は自分と近いと感じていました。ただ、激情のままに感情を露わにする役は新境地でもありました。普段、わりとがまんして気持ちを抑えるタイプなので、演じていてすっごく気持ちよかったです!
本番前、伊藤マサミさんと話して、毎回、演技を変えていったことも刺激的でした。幕が開く直前に「しんた、ちょっと」と声をかけられ、「ここ、こうしてみない?」とか「こうしたらいいと思うけど、どう思う?」と相談して新たな演出を加えていったんですが、はじめての経験ですごくおもしろかったんです。終わると「今日のここはどうでしたか?」と聞いて、公演中も変えていくことに夢中でした。
──実はゲネプロで拝見し、本公演も伺いましたが、同じ演目でありながらも大きくちがっていて驚きました。
安西:ゲネから初日、中日もあって、大阪公演もありましたが、ぼくの演じるラスト20分位の場面はどんどん変えていったので、あんなに頭を使った舞台は初めてでした。事件の話だから一度観たらもう、犯人も動機もわかっちゃうわけで。でも、そのうえで繰り返し観てくださる方に、話がわかっていながらも、なお楽しんでもらうためにはどうしたらいいのかをものすごく考えました。
なにより、ぼく、普段、全然嘘がつけなくて隠し事ができなくて、隠していてもすぐバレちゃうので、そういった演技への説得力や足りないものを補えた舞台でもありました。演技プランを変えることだけでなく、自分の内面を埋める感情のひとつ、動きのひとつを変えることでこんなにもちがっていくものなんだ……ということも感じたし、観てくださったお客さまも「あれ? 今日はちがうな」ということを感じ取ってくださって、そういった舞台ならではの愉しみみたいなものも届けられた役だったと思います。ミュージカル『テニスの王子様』で感じた「心からお客さまを楽しませる」ことがすごく活かされた舞台で、役でもありました。
──とくに心がけていたことはありますか。
安西:東京で初日を迎えた劇場が新国立劇場小ホールで、客席がすごく近くて普段からすぐ嘘がバレちゃうぼくとしては、安易に形から入ると説得力がなくなると思ったし要の役でもあったので、嘘にならないよう、自分の中身を密に詰めて詰めて演じようとしていました。
ほんとうに楽しかったし、すごく充実していました。作中で二度ほど泣くので、稽古も含めると何十回となく泣いていましたが、そのたびに本気で涙を流していたし、心から入り込んでいました。
──その都度、感情を作ることができる、そのことがすごいです。
安西:それがけっこう毎回、リセットできちゃったので、毎日、新たな気持ちでいました。重い役ではありましたが、そこはもう舞台に立ってしまえば入り込めるし、終われば「終わりっ!」となれるから。それで言うと、ぼく、楽屋ですごくうるさいんです。舞台袖でも直前までしゃべっているし。
──意外です。
安西:きっと、リラックスしたいんです。だって舞台の上でのお芝居は、直前になにかしてどうなるものではないから。稽古場でできなかったことが舞台のうえで急にできるはずもなく、いい意味でも悪い意味でもそれまで積み重ねてきた結果でしかないので、あとはそのまま出すしかないんです。だからこそとにかく稽古をするしかない。
なにより、ぼくは稽古場だと失敗好きなので、それこそいろんなことを試します。失敗しすぎて叱られちゃうこともあるけど、試して重ねることで役の幅が広がって、繰り返し凝縮することで深めていける。そこを恐れずできるのは、やっぱり初舞台で演出の青井さんに「心を解放して」と言ってもらったことが大きかったと改めて感じます。そのためにはどうしたらいいのかを考えてきたし、本番直前まで誰かと話すことで構えない自分を作りたいんだと思います。
──舞台のためには稽古しか無く、当たり前に出すためにフラットでいる、ということはどこで得たのでしょう。
安西:……自分で、板の上にうまく立てていないな、自分の足で踏めていないな、という時期がありまして。
──いつでしょう?
安西:最初の頃です。覚悟は決めたものの不安になっていった……と話しましたが、台詞はもちろん言っているし動けているけど、なんだか自分の足がふわふわ浮いていて板の上を踏めていないな、という時期があって悩んでいたんです。
じゃあ、どうしようかと思ったときに、踏んでない、と思えないほど踏めばいい。いっそ、踏んでいるかどうかもわからなくなるまで、それこそ自分の足の感覚がなくなるくらい稽古をすればいいんだ、と納得してしまったんです。そんなふうに、単純に「やればいいじゃん」と思っちゃったから、あとはもうやればいいというか、やってきました。
──決めたことを自身に課して続けることは、とても尊(たっと)いことかと。
安西:ぼくも今、こうして話していて気付きました。順を追って思い出す内に、ああ、これまでのひとつひとつのすべての舞台で得たものがつながって、今のぼくを作っているんだ……と。今、すごくこれまで関わってくださったすべての人に感謝したいし、ありがたいことだとしみじみ思いました。
──そのことを記事にできることにも感謝します。
まっすぐ、に。
後編の更新は9月半ばまでお待ちください。
2015年6月末 都内にて収録
・写真や記事の無断転載はおやめください。
撮影/江藤はんな(SHERPA+)
ヘアメイク/BELLEZZ
編集・文/おーちようこ