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 第70回ジュネーブ国際音楽コンクール(作曲部門)で日本人で初めて優勝した薮田翔一さん(32)の出身地・兵庫県たつの市は、童謡「赤とんぼ」を作詞した三木露風の生誕の地。ピアノ教室を開いていた母みさのさん(66)の影響を受けて、3歳から音楽に親しんだ。中学時代には、当時ヒット曲を連発していた音楽プロデューサーの小室哲哉さんの曲に魅せられ、作曲に興味を持ち始めたという。

 作曲家としては、2009年から12年まで4年連続で日本音楽コンクール作曲部門で2位に入るなどして頭角を現した。姉の瑞穂さんも国立音楽大学卒のソプラノ歌手だ。

 薮田さんは地元での現代アートのイベントにも尽力。今月14、15日にたつの市で開かれる「龍野城コンサート」では、15日のソプラノコンサートで音楽監督を務める。みさのさんは「優勝の実感がまだわかない」としながらも今回の快挙を喜んでいる。(藤井匠)

■恩師「孤高のタイプだった」

 薮田さんは東京音大大学院出身。在学当時、薮田さんに作曲を教えていた西村朗(あきら)・同大学院教授は、「学生だった当時から集中力が高く、自らの道を厳しく追究する孤高のタイプだった」と語る。今回の受賞については、「これを機に高い志を持ち、自らのステップアップにしてほしい」とエールをおくった。