おはなしのくに「王さまと九人のきょうだい」 2015.11.09


それはいつのころかてんでけんとうもつかないほどのおおむかし。
ちゅうごくのあるむらにとしよりのふうふがすんでいました。
ふたりは「こどもがほしいほしい」とおもっていましたがすっかりこしがまがってもまだこどもはうまれません。
あるひおばあさんはあんまりさびしいのでいけのほとりでひとりないていました。
するといけのなかからしろいかみのろうじんがあらわれて「このくすりをあげよう。
1つぶのむとこどもがひとりうまれる」とくすりを9つぶくれました。
おばあさんはうちにかえるともうまちきれなくなってくすりをいっぺんにのんでしまいました。
すると…。
(あかちゃんのなきごえ)あるひとつぜん9にんのあかんぼうがうまれたのです。
ついたなまえは…さてこの9にんのきょうだいはかおもからだつきもそっくりにおおきくなりました。
ちょうどそのころみやこではたいへんなさわぎがもちあがりました。
おうさまのきゅうでんのいちばんおおきなはしらがとつぜんたおれてしまったのです。
そこでおうさまはくにじゅうにおふれをだしました。
「はしらをもとどおりにできたものにはのぞみのほうびをとらせる」。
このはなしは9にんのきょうだいのうちにもつたわってきました。
そこできょうだいたちはそうだんしました。
「どうする?ほうびだってよ!」。
「えっ?のぞみどおりのほうびってどういうこと?」。
「いろんなものがもらえるってよ!」。
「なにたのんでもいいの?」。
「どうしようどうしよう。
なんだろう?なんだろう?だれがいく?だれがいく?」。
「ちからもちいってくれ!」。
「よ〜しきた!」。
ちょうどよなかにちからもちはきゅうでんにつきました。
そしてはしらをひょいっともちあげもとどおりになおしてかえっていきました。
あくるあさになっておうさまはおどろいたのなんの「いったいだれがなおしたのじゃ!?」。
ところが9にんきょうだいのひとりがなおしたときいてもおうさまはしんようしません。
おうさまはおおきなおかまをいくつもすえてごはんをいっぱいたかせました。
「もしそのようなちからもちならきっとこれくらいのおおめしがくえるはずじゃ。
だがたべられなければおおうそつきのばつとしてろうやにぶちこめ!」。
このはなしをきくときょうだいたちはまたそうだんしました。
「どうする?どうする?ろうやだってさ!」。
「えっろうや!?そんなバカな!」。
「だってさそんなわけにはいかないでしょ。
こっちはなおしたのに!」。
「どうしようどうしよう」。
「くいしんぼういってくれ!」。
「よ〜しきた」。
くいしんぼうはきゅうでんにつくと…。
「むしゃむしゃむしゃむしゃぱくぱく。
むしゃむしゃぱくぱくむしゃむしゃぱく。
むしゃぱくむしゃぱく。
おかわり。
むしゃぱく。
おかわり。
むしゃむしゃ。
おかむしゃ。
おかむしゃわり。
ふう〜」。
おおきなおかまのごはんをペロリとぜんぶたいらげてしまいました。
おうさまはだんだんこわくなってきました。
「あんなにちからもちでおおめしぐらいのおとこならいまにきっとわしをたおしてこのくにのおうになるにちがいない。
なんとかしてやっつけなければ」。
そこでおうさまはめいれいしました。
「やつをつかまえてきてうえじにさせよ!」。
「えっどういうこと?うえじにだってさ」。
「うえじにってえっうえてしぬってこと?なにいってんのあのおうさま」。
「えっどうするどうする?」。
「う〜んそうだなあっそうだ」。
「はらいっぱいいってくれ!」。
「よ〜しきた」。
おうさまははらいっぱいをすぐさまろうやにとじこめました。
バタン。
ガシャリ。
そしてなのかななばんなにひとつたべさせませんでした。
ようかめのあさでした。
「もうあいつもうえじにしてしまったことだろう。
ナッハッハッハ!どれ…」。
ガチャリ。
ギイ〜。
「わあ〜!」。
「あ〜あものをたべないおかげでいいきもちだった」。
はらいっぱいはまえよりももっとげんきなようすででてきたのです。
おうさまはますますふあんになりました。
「そうだ!やつをたかいやまのてっぺんからつきおとしてしまえ!」。
「たかいところってどういうこと?」。
「たかさってこと?ねだんじゃなくて?」。
「なんなの?どういうことなの?なるほど。
だったらたかいとこだったらさできるできる。
いけるいける」。
「よしじゃあおまえいこうか。
いこうか」。
「ながすねいってくれ!」。
「よ〜しきた」。
ながすねはすぐさまいわやまのてっぺんにつれていかれました。
そしてきりたつようながけのうえからドンとつきとばされました。
そのときです。
ながすねのすねがシュッとのびてたにぞこまでとどいてしまったのは。
こうしておうさまはまたしっぱいしました。
こわくてこわくておうさまはまったくねむれません。
これはもうなんとしてでもこのおとこをやっつけなければとかんがえました。
・「『やつをやきころしてしまえ!』」・「…とおうさまがめいれいすると」・「やってきたのはさむがりや」・「ほのおのなかでもやされた。
でも」「あああったかくていいきもち」。
・「とうとうたきぎがもえつきた」・「『やつをこごえじにさせよ!』」・「…とおうさまがめいれいすると」・「やってきたのはあつがりや」・「ゆきのなかにうめられた!でも」「ああつめたくていいきもち!」。
・「とうとうゆきがとけだした」ぶってもダメ。
きってもダメ。
きょうだいたちのまえにおうさまのけいかくはことごとくしっぱいします。
おうさまはかんかんになってめいれいしました。
「やつをひっとらえておおきなかわへほうりこんでしまえ!」。
きょうだいたちはまたそうだんしました。
「みずくぐりいってくれ!」。
「よ〜しきた」。
みずくぐりはかわにおとされるとまるでさかなのようにおよぎまわります。
ス〜イス〜イ。
そしてくちいっぱいにかわのみずをふくんだかとおもうと…。
「プ〜ッ!」。
「あわわわ…なあ〜ぬわあ〜!」。
おうさまはみずのちからでとんでいってしまいました。
このひからひとびとはおうさまからひどいしうちをうけることもなくたのしくへいわにくらしたということです。
2015/11/09(月) 09:40〜09:50
NHKEテレ1大阪
おはなしのくに「王さまと九人のきょうだい」[解][字]

“いじわるな王さまに負けるな!九人のきょうだいがとくいわざで立ち向かう”中国の民話

詳細情報
番組内容
【出演】IKKAN
出演者
【出演】IKKAN

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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