皆さん、こんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
さて、福岡県で、高校生の原付きバイクをひき逃げした軽自動車。
火曜日、逮捕されたのは、93歳の女でした。
そして、先月、宮崎県では歩道を暴走した車にはねられ、7人が死傷。
運転していたのは、73歳。
認知症の疑いで治療を受けていました。
今、高齢ドライバーによる事故が相次いで起きています。
急速に高齢化する社会で、こうした重大事故をどう防げばいいのでしょうか。
これは、ドライブレコーダーの映像。
踏切の前に1台の車が。
立往生か。
おばあさん、何やっているんだよ。
あー!あーあ、事故っちゃった。
標識にぶつかってしまった。
また、別の映像。
青信号の交差点を直進しようとしたところ、右側から車が。
飛び出してきた車は信号を無視。
車体の後ろには、高齢ドライバーの運転を示す、もみじマークが。
高齢者に多いのは、出会い頭の事故だ。
ほかの映像からも、一時停止しない車の衝突事故や、事故寸前という場面が多いことが分かる。
福岡県みやま市で、16歳の高校生をひき逃げしたとして、火曜日、93歳の加藤ミトリ容疑者が逮捕された。
先月、愛知県で76歳の男の車が、アクセルとブレーキを踏み間違え、和菓子店に突っ込んだ。
また宮崎県でも、73歳の男の車が暴走し、2人が死亡。
男は認知症の疑いで通院していた。
過去10年間、全国の交通死亡事故全体の件数は減少。
しかし、65歳以上の死亡事故の件数は、ほぼ横ばいだ。
高齢者の事故を防ぐ方法はあるのか。
どこで止まっていますか?
ちょっと出てるね。
出てますね。
きのう、静岡県沼津市。
出会ったのは渡辺寅雄さん。
よろしくお願いします。
見せてもらったのは運転免許証。
生まれたのは、大正9年の11月だ。
今、おいくつなんですか?
94.11歳か。
この30日でもって、95になる。
庭に行くと、一台の白い車が。
このトラックで行かれるんですか?
これは年中、私の乗用車です。
へぇ。
クライスラー。
軽トラックのハンドルを握り、毎日、家庭菜園の様子を見にいくために運転するという。
すごい細い道にしっかり入っていきました。
94歳の渡辺寅男さん。
軽トラックのハンドルを握り、毎日、家庭菜園の様子を見に行くために運転するという。
すごい細い道に、しっかり入っていきました。
すいすい進んでいくと、前方から自転車が。
車をよけるために待ってくれた。
クラクションを鳴らし、あいさつすることも忘れない。
さらにまたあいさつ。
やっぱり運転する爽快感っていうのがあります。
何歳まで乗りたいなとかって?
いや、乗れれば、100まで乗りますよ。
運転することに不安はないのか。
検査は合格ですよ。
合格?
なんら、運転に支障はないというふうなものをもらってきましたよ。
渡辺さんは免許更新の際にある検査を受け、記憶力、判断力に心配ありませんとの結果を得た。
その検査とは。
75歳以上は、免許を更新する際に義務づけられている講習予備検査だ。
きょうは何日ですか?
その内容は日付や曜日を尋ねる質問など。
検査の結果、記憶力、判断力が低くなっているとされ、過去およそ1年間に特定の交通違反をしていた場合、認知症の診察を受けなければならない。
認知症と診断されれば、免許は取り消される。
一方、福井県では、全国でも珍しい新たな取り組みも始まっている。
75歳以上を対象に、福井県警では独自の講習を行っている。
講習を受けに来た82歳の男性。
僕の運転は結構荒いようなことを、孫が言うので、これはちょっと見てもらおうということで。
運転に自信っていうのは?
自信はあるほうですね。
警察署の課長によるマンツーマンの指導だ。
これは運転に不安のある人や、希望する人の車に、ドライブレコーダーを1週間設置。
撮影された映像を警察官が見て、安全運転の指導をする。
男性が運転する映像。
細い道で左前方に2人のお年寄りが見え、追い越していく。
速度がほとんど同じような形で、ハンドルだけでかわしているという部分があるので、もうちょっとね、速度を少し、落としていただくと。
また、交差点での一時停止のしかたについても。
どこで止まってますか?
ちょっと出てるね、これ。
出てますね。
よく見える所で確認しようと、一時停止のラインを越えて止まっていると指摘。
停止線の手前で止まるようアドバイスした。
30分近くに及ぶ講習を受けた男性は。
自身過剰になってるんじゃないかなと、それは戒めないかんなと。
反省して、あんぜん運転に心がけます。
全国の警察では、運転の地震がなくなった場合などには、事故を起こす前に、免許証を返納することを勧めている。
自損事故をきっかけに、ことし3月に免許を返納した83歳の女性。
見せてもらったのは、運転免許証そっくりのカード。
こちらは、運転経歴証明書って書いてありますね。
さらに、その下には、自動車の運転はできませんと書かれている。
免許証と交換に頂いたんです。
あっ、そうなんですか。
身分証としても活用でき、この地域では、タクシー料金の割り引きも受けることができるという。
他の自治体でも、免許返納に対してのサービスが行われている。
だが、公共の交通機関が充実していない地域では、免許を返納できないという高齢者がいるのも実情だ。
ではここで、こよいのご意見番をご紹介いたします。
まずは教育評論家の尾木直樹さんです。
こんばんは。
こんばんは。
そして、国際的な人権問題に取り組む、NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの日本代表、土井香苗さんです。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さあ、相次ぐ高齢者の重大事故でありますが、尾木さんはいかがお考えですか?
これ、僕、自分の問題でもあるんですけれども、本当にね、運転歴がキャリアとしては40年ぐらいあるわけですよ。
そうしたら、20代、30代のね、運動神経のいい世代に、負けるとは全然思えない。
キャリアがあるから?
ええ、キャリアがあるから、だからね、データ取ってみても、60歳以上のほうが、50歳以下よりも運転に自信があるっていうパーセンテージが高くなってるんです。
6割以上が自信を持っているんですよ。
だからそれはね、すごく分かるんですよね。
ただ実際、自分で車庫入れをやってみようとしたりすると、こつんとぶつけそうになったりとか、あれ?っていうようなのが、やっぱりあるんですよ。
だからそこのところは、能力、身体的な判断力がね、落ちてきてるっていうのは、間違いないなというので、自分でよっぽど気をつけようと思って、ここ2年ぐらいかな、僕、車は我慢して、乗らないようにしてるの。
そうなんですか?自主的に?
そう、事故を起こしちゃったら大変だなと思って。
我慢しています。
確かに先ほどの福井の方のようにね、ちょっと自信過剰になってるということを気が付くことありますよね。
大体、高齢者はみんな自信過剰だと思うんです。
やっぱりサポートする態勢が福井なんかはありますからね。
いいことね。
そうですね、あれはいい試みですね。
土井さんはいかがお考えですか?
やはり、運転の能力の問題もありますけれども、とはいえ、やはり、免許返納できないようなね、状況にある方々、特に田舎のほうですとか、公共交通機関が発達していなければ生活のためには、返納できない人たちもいますので、今後やはり、高齢者の割合、増えていって、当然、事故も増えてくるとは思いますけれども、やはりなんというか、高齢者のニーズと、あと社会のニーズと、うまく合わせた制度設計が必要ですよね。
そうでしょうね。
一概に運転しちゃいけませんと、じゃあ、どうするんですか、どう移動すればいいんですかっていう問題が残るわけで。
ますますこの高齢化する社会を見据え、事故を防ぐ最新の技術が自動運転です。
メーカー各社は、2020年の東京オリンピックのころまでに、実用化を目指しております。
しかし、もし事故が起きた場合の責任の所在など、法律面の課題も多く残されております。
同性パートナーとの結婚。
晴れやかな笑顔で肩を寄せ合う2人の女性。
木曜日、渋谷区と世田谷区が、相次いで、同性のカップルを結婚に当たる関係と認める制度をスタートさせました。
彼女たちは、その第1号です。
この動きに合わせるように、社会の仕組みや企業のサービスも、徐々に変わろうとしています。
結婚、そして家族の幸せとは。
木曜日。
渋谷区役所住民戸籍課。
こちらがパートナーシップ証明書でございます。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
おめでとう!
この日、2人の女性は、結婚に相当する関係として認められた。
泣いてる。
長年の願いがかなった。
同じ日、世田谷区でも、同性カップルであることを認める制度が始まった。
今、LGBT・レズビアン、ゲイ、両性愛、性同一性障害などの人を巡って、自治体や企業の動きが活発になっている。
おととい、都内で開かれたLGBTについて学ぶシンポジウムには、企業の人事担当者など、およそ400人が集まった。
生命保険会社の中には、保険金の受け取り範囲を、同性のパートナーに拡大する動きも。
また、携帯電話3社も、同性のパートナーに対して、家族割引を適用すると表明した。
少しずつLGBTを取り巻く社会が変わる中、当事者にとっての幸せとは。
はいはい。
お父さん、こんにちは。
お父さん、同性婚って分かる?
パートナーシップ宣誓書の受け付けを始める世田谷区に住む、ゲイのカップルを訪ねた。
料理研究家の寺井幸也さん26歳と、カメラマンの中川司さん42歳。
インターネットで料理レシピの連載をしている寺井さん。
この日は、その写真を中川さんが撮影していた。
いい感じ。
2人はフェイスブック上で共通の知人を通じて知り合い、おととしから交際をスタート。
一緒に暮らして1年。
互いを家族と考え、区へ、パートナーシップ宣誓書の提出を決めていた。
宣誓書自体には法的効力はない。
それでも。
希望っていうのが、結構大きいかもしれないですね。
取らなくてもいいっちゃいいですけどね、でもやっぱり、それを取ることで、LGBTの方に向けて、もうちょっと動かないといけないなって思ってもらえるチャンスでもありますからね。
自分たちの存在が、公になることで、悩みを抱えるLGBT当事者の力になればと考えていた。
法律上、同性婚は認められていないが、2人は来年、結婚式を挙げる予定だ。
寺井さんの母親には関係を打ち明け、その仲を理解してもらっていた。
そして今回、宣誓書を提出するに当たって、中川さんには、やらなければいけないことがあった。
お父さんに電話しないといけない、俺。
67歳になる実の父親へのカミングアウト。
まだ、ゲイであることを話せていなかったのだ。
だって、孫を抱かせてくれとかね、僕に会うたんびに言うからね。
その期待に沿えないなと思ったら、申し訳ないなっていう気持ちと、悲しませたらどうしようかなとか。
それでも、自分のことばで理解してもらいたい。
ふるさとに住む父親に、電話をかける。
出ない。
はいはい。
お父さん?こんにちは。
お父さん、同性婚って分かる?
何?
同性婚。
ああ、分かる、分かる。
分かる?俺、今度、同性婚することになったんよ。
ああ…。
そうなん。
そうなんですよ。
それをお父さんに、ちゃんと伝えにゃいけんなと思って。
それは、ばあちゃんにはないしょにしとこうね。
ばあちゃんには、ないしょにしとこうかね。
年寄りはびっくりする。
年寄りはびっくりするよね。
正月に、ちゃんと相手も連れて帰って、お父さんと一緒に会わせるようにしますね。
見たくないな、ちょっと。
え?なんで?
見たくないな。
なんで?
なんでも。
見れん?
うーん…。
そうか…。
分かった。
ちょっと動揺しとるけど。
まあ、そういうことなんだけど。
分かった、分かった。
まあ、とりあえず正月は帰るのは帰るけんさ。
もしあれやったら。
じゃあね。
ありのまま生きること。
それは、親に動揺を与えるものでもあった。
言ったほうが幸せなのか、言わずに、知らないままで過ごせたほうがお互いにとって幸せなのか。
これって、僕のわがままなんですかね。
一方的ですよね、こういうのって。
どうしたら、家族も自分たちも幸せに生きることができるのか。
一方、パートナーシップ証明書の発行が始まる渋谷区に住む50歳のゲイの男性。
これまで彼は、公にゲイであることを隠して生きてきた。
証明書の取得に迷いもあった。
自分は取りたい気持ちは強いですけど、行政に届け出ることで、自分は性的少数者だって宣誓に行くようなものじゃないですか。
あいつはおかまだったんだ。
そうした意識、目で見られること自体の、おそれっていうのは、みんな持ってると思いますね。
社会の理解が進んでも、ゲイであることを告白する不安は、すぐには消えないという。
そして木曜日。
中川さんたちが宣誓書の提出に世田谷区役所へと向かった。
日本にとってもね、大きな一歩だと思いますけど、きょうは。
僕らの一歩は小さいかもしれませんけれども。
でも、一歩は一歩ですからね。
世田谷区ではこの日、7組の同性カップルに、宣誓の受領証が交付された。
ここから始まる何かがあるのかなと、希望を抱いております。
自分たちの幸せが、誰かの希望につながると信じて踏み出された小さな一歩。
この一歩が、社会をもっと変えるかもしれない。
同性カップルにとっては、やはり家族に、どう伝えるべきかという葛藤が最大の難関だということですが、土井さん日本代表を務めるNGOでも、近年、このLGBTについて取り組みをされているということですが、まだまだ偏見も多いんでしょうね。
本当にそのとおりなんですね。
私どものNGOでは、今、渋谷区などでも取り組んでいるような、この同性婚を求めている当事者の団体をサポートする活動も行っていますし、それと併せまして、子どもたちの問題も取り扱っています。
学校の中で、LGBTである、あるいは、そうじゃないかというようなことで、いじめですとか、嫌がらせを受けているケースがすごくたくさんありまして、そういった子どもたち、今、高校生になっていたり、大学生になっていたりする子どもたちに聞き取りをしたり、アンケート調査をしたりして、どのような実態があるのかを調べています。
そして、国ですとか、政府として、しっかり取り組みをするように、提言をしていきたいというふうに思っているんです。
でも学校では、オカマだとか、ちょっと女っぽい、男っぽいということで、すごいいじめをやっぱり受けている子どもたちがたくさんいます。
家族、家に帰ったら、安心かっていうと、今のVTRでもありましたとおり、家族にもこれ、打ち明けられない。
そして特にちっちゃい子だと、どうして自分が他人と違うのか分からない。
自分がLGBTだって分かって納得できればいいんですけれども、そこまでも行かない。
そうすると、自分が悪いんではないかという、罪の意識を持ってしまったりするんですね。
やはり子どもたちには、大人もそうですけど、なんら悪いことはないわけですから、その人、その人を認められる社会に日本が早くなっていく必要が、本当にあると思いますね。
そうした社会を実現するために、LGBTへの差別を撤廃する法案作りも進んでいるということですが?
そうですね、すべての基礎に、差別をしない性的な志向、LGBT、…という問題で差別がされない社会であるということがすべての基礎、人々が、自分が自分らしく生きるための本当に基礎ですので、そういった差別を禁止する法律、特に先進各国にありますので、日本でもぜひ作っていただきたいということで、支援しております。
尾木さん、改めて渋谷区、そして世田谷区のこの取り組み、どうご覧になりましたか?
いや、これはね、日本社会にとってだけではなくて、教育の領域にとっては、ものすごく大きな励ましになるっていうふうに思います。
教育のところは、最近ですけれども、文科省の調査でも、20人に1人じゃないかとか、あるいはですね、電通さんがお取りになった調査では、13人に1人だっていうデータが出てきた。
そうなんですよね。
そして子どもたちで考えたら、クラスに2、3人はいるわけですよね。
不登校よりもはるかに多いんですよ。
その子どもたちの悩みとか、苦しみ、どういうふうに応えていくかというので、政府のほうも、具体的な策として、例えばおトイレなんかも、多目的トイレを作るようにしようとか、あるいは職員用のトイレを使えるようにしてあげようとか、水着の問題とか、スカートにあまりこうでいしないで、そういうお子さんの場合はジャージでもいいんじゃないかといろんな取り組みを今、やるようにという指示が出てきたところで、わが国は国際的に見ても、特にアジアの諸国の中でも、非常に遅れている。
もうここの問題、一番遅れているんじゃないかと思うんです。
教育的な理念で言うと、インクルシブ教育っていいますけれども、一人一人個別教育、個に合わせた教育をしようというので、学力の保証もそうですし、性格的なところや、いろんなこともそうなんですが、性の問題も、男、女に極端に分けるだけじゃなくて、グラデーションがあっていいんだと、虹のマークのようにね、こんなふうにして、捉えていこうと、個々に応じた性の向かい合い方、向き合い方をしていこうというふうにね。
今、尾木先生がLGBTの当事者というのは、かなり多いんだよという話をされましたけれども、やはりわれわれは、なんでしょう、誰か他人の問題と捉えるのではなくて、やはり自分自身の問題と捉えるべき。
先ほどの中川さんのお父さんもびっくりしてましたけど、自分の子どもがLGBTの当事者である可能性は十分ありますし、同僚の中にも、恐らく絶対いるんですよね、学校の先生ももちろん、子どもの中にもいるし、そう考えたら、やっぱりわれわれの問題なんだということを、このカップルの人たちが、今、なんて言うか、社会に届けてくれてると思いますね。
そういった意味でも、ようやくこの日本で、動き始めたという小さな一歩であります。
この先どう進んでいくのか、われわれも注目していきたいと考えております。
続いてはこちらです。
きょう午前11時。
号砲とともに一斉に走り出す車いすランナーたち。
ことしで35回目を迎えた大分国際車いすマラソンです。
この大会に出場した小島将平選手は、かつて箱根駅伝を走ったエリートランナーでした。
病気で左足を失ったものの、今はパラリンピック出場を夢に走り続けています。
その小島さんのそばには、支え続ける妻の姿。
しかし、2人にはさらなる困難が待ち受けていました。
車いすを走らせると、2匹の愛犬が後をついてくる。
その姿に、笑みがこぼれる夫婦。
小島将平さん30歳。
そして妻の美幸さん。
2人は、想像を絶する困難を乗り越えてきた。
早稲田大学の姿が見えてきました。
早稲田大学は小島将平から待ち受けますのは、おおのはやたです。
9年前の箱根駅伝。
小島さんは、早稲田大学の選手として、8区を走った。
卒業後、不動産企業に入社。
ところが、3年目の25歳のとき。
左の骨盤に、骨肉腫という骨のがんが出来て、骨盤ごと切断しないといけないって言われて。
骨のがん、骨肉腫。
生きるためには、骨盤ごと左足を切断するしかなかった。
ショックだった。
しかし、すぐに新たな目標に向け、走り始めた。
パラリンピックに出て、結果を残す選手になりたいです。
車いす陸上という第2の競技人生。
目指すは2020年の東京パラリンピック。
その目標を、妻は支え続ける。
しかし、大阪で行われた陸上競技会。
将ちゃん、がんば!
懸命に走る小島さんの姿に。
突然妻は。
あかん、涙が。
このとき、新たな苦難が2人に襲い掛かっていた。
都内の陸上競技場。
この日も小島さんはトラックを走っていた。
レーサーと呼ばれる競技用の車いす。
腕だけでなく、上半身すべてを使って車輪をこぐ。
これは走っているときの目線。
トップスピードは時速30キロにも及ぶという。
さらに、特殊な曲がり方がある。
コーナーにさしかかると、車体をたたいた。
トラックレバーをたたくことで、タイヤが曲がってくれるので、コーナーに入るときに内側に入れて、出口でまた元に戻すという感じですね。
車いす陸上を始めて3年半。
サラリーマンを続けながら練習に励む日々。
ただいま。
お帰り。
お疲れさん。
自宅に帰ると、妻が待っていた。
姉さん女房の美幸さん。
看護師の美幸さんは、骨肉腫の治療をしている小島さんと出会い、左足を切断したあとに結婚した。
美幸さんが結婚を決意したのは、どんな思いからだったのか。
手術後の生活を考えたときに、絶対大変になる状況が目に浮かぶので、少しでも、何か力になれたらいいなと思って、そばにいて、なんか手伝えることがあればというか、なんかきれいなことばでいえば、なんか、左足をなくしたわけですけど、その左足の代わりに慣れればと思ってはいたんですけど。
そんな2人の暮らしとは。
この日は一緒に夕食の準備。
小島さんはバルサミコ酢を使ってソース作りを始めた。
バターあるの?
ありますよ。
しかし、材料を出すのは美幸さん。
小島さんはというと。
多すぎだよ。
1グラムくらい、誤差、誤差。
僅か1グラムを指摘。
几帳面なところも。
料理が出来上がると、今度は美幸さんの優しさがかいま見えた。
いただきます。
どうかな、将ちゃん、かたまっとう。
えー、あっ。
なんでこんなことになる?
小島さんが作ったソース。
少しとろみが強すぎても。
でも、おいしいね。
すかさずフォロー。
そして。
おいしくないの?
おいしいよ。
すごくおいしいよ。
無理やり言わせてるみたい。
すごいね、これ。
アートだね。
2人は、言いたいことを言い合える夫婦。
しかし2人には、新たな苦難が襲いかかっていた。
向かったのは、国立がん研究センター。
定期的に通わなければならない事情があった。
体調どう?
大丈夫です。
大丈夫?今までの経過だけね、ちょっと見ると、1月に、うちに来たときが、まあ、肺の所はこのくらいで、少しこうやっぱり、胸に水がね。
去年12月、肺に転移したがんが、はっきりと写っていた。
その後は、毎月、数日から1週間ほど入院して、抗がん剤治療を受けている。
点滴交換していきますね。
痛くないですか?
副作用の影響で、髪の毛も眉毛も抜けた。
食事ができないときもある。
その苦しさに、じっと耐えている。
そんな中でも小島さんは。
やっぱり、練習できないのがやっぱりつらい。
自分はやりたいだけで、できないというか。
車いす陸上のことを気にして、ベッドの上でトレーニング。
小島さんは常に前向きだった。
その姿に美幸さんは。
落ち込んだり、悲しんだりとかして、過ごして治るもんなら、いくらでもそうするけど、そうじゃないから、治すほうに頑張って、一緒に前向きにやっていくしかないなと思って、自分ができるだけのことを。
がんと闘いながらも、車いす陸上を続ける夫に、どんなときも寄り添う覚悟だ。
9月、大阪で行われた障がい者陸上の競技会。
小島さんは、車いす陸上400メートルに出場した。
入院しての抗がん剤治療から僅か3週間足らず。
ほかの選手との体格差は歴然としていた。
妻、美幸さん。
遠くから夫を見守る。
オン・ユア・マークス。
そして。
将ちゃん、がんば!
レースが始まった。
やはり、つらい展開になった。
序盤で先頭グループに離されてしまう。
美幸さんはエールを送り続ける。
将ちゃん、がんば!将ちゃん、がんば!
2人は一緒に闘っていた。
あー、きついね。
結果は最下位。
妻は、その場を動かなかった。
あかん。
涙が。
苦しさもつらさも、全部知っている。
すみません。
涙があふれた。
もう出てるだけで満足なので。
最後ね、差せたらよかったですね。
ほかの、せめてね。
7着になれたらよかったですね。
でも十分です。
十分、十分。
大会翌日も2人は一緒だった。
小島さんは次の大会に向け、練習を始めていた。
その隣には、美幸さん。
なぜか車いすに乗っている。
気持ちいいな。
左腕が痛い。
気持ちいいな。
美幸さんは、健常者も参加できる車いすの大会に出場するというのだ。
ペース落ちてるよ。
でも本当に左腕がやばい。
もうちょっと右側に行ったら?左にこんと。
厳しいね。
そう言いながらも、楽しんでいる。
いってらっしゃい。
がんが再発しても、苦しい治療を受けながらも、小島さんは走り続ける。
それが彼の生き方だ。
不安はもちろんあるんですけど、やると決めた以上、不安があってもやるしかないっていう感じですね。
妻と力を合わせて、やれることをしっかりやっていきたいなと思います。
がんと闘う夫婦。
さあ、こちらの写真ですが、こちらはきょう、大分国際車いすマラソンで、ハーフマラソンに出場した小島さんです。
目標としておりました1時間を切るタイムで、見事完走したということです。
尾木さん、このご夫婦の姿をご覧になっていかがですか?
いやー、なんかね、すごいですね。
一心同体っていうかね。
本当に二人三脚で、それをなんか苦しいのに、立ち向かって、必死っていう感じじゃなくて、なんか楽しんでおられるっていうか、すごく自然体で、楽な感じなんですよね。
あれがすごく魅力的で。
すばらしいなと思いました。
奥さんのほうも引っ張ってもらったりとかね。
車いすね。
なんかね、羨ましいなっていうような感じにうっかりすると、なりましたね。
きっとプライベートにおいては、生活においては奥さんがご主人を引っ張ってるっていう、お互い引っ張り合っているのかもしれませんけれどもね。
土井さんはどうご覧になりましたか?
小島さんがすごいっていうのは、もちろんなんですけど、やはり奥さんがね、やはりああいう方が横にいてくださっての闘病生活と、そうじゃない方と全く違うでしょうね。
これだからね、乗り越えられるものもありますよね。
本当にそう思います。
やはり闘病生活をしながら社会生活を送っている人、本当に多いですからね。
やはりそういった人たちが、生き生き生きれる社会というものもやっぱり作っていかなきゃいけないなっていうのも、このVTR見て思いました。
やはり力があるわけですからね。
そうですよね。
そして、こうやって目標を持つということが、最終的にはその人の生きる力、免疫力のようなものを、向上させるということがありますからね。
非常にメッセージ性のあるご夫婦でした。
さあ、この小島さんと妻の美幸さんは、来月5日、横須賀で行われます車いすレースにご夫婦で出場するということで
ニュースをお伝えします。
ミャンマーではきょう、事実上25年ぶりとなる民主的な総選挙が行われました。
アウン・サン・スー・チー氏率いる最大野党の本部前から中継です。
今村さん。
ヤンゴンにある、NLD・国民民主連盟の本部前です。
今から15分ほど前に投票は終わりましたが、先ほどから雨の中、多くの支援者が集まっています。
最新の開票状況を得ようというものです。
今回の総選挙は、ぐんじせいけんから民政に移管されて初めて行われたもので、投票所では、朝6時の投票開始前から、有権者の行列が出来、政治が変われば、生活もよくなると、多くの有権者が笑顔で話していました。
アウン・サン・スー・チー氏率いる、最大野党NLDは、軍事政権の流れをくむ与党に対して、選挙戦を優位に進めていて、政権交代に必要な改選議席の3分の2以上を獲得できるかが焦点です。
すべての有権者が投票を終えた投票区では、すでに開票が始まっていて、NLDの独自集計によると、軒並みNLD優勢との情報が入っているということです。
NLDは現地時間のあす未明にも独自集計の結果を発表したいと話しています。
ヤンゴンでした。
では、次のニュースです。
大阪市の橋下市長の後任を選ぶ市長選挙が告示されました。
大阪市長選挙には、いずれも新人で、4人が立候補しました。
政界引退を表明した橋下市長の後任を決める選挙戦は、維新対非維新が激突する構図で、住民投票で否決された大阪都構想への再挑戦の是非や、橋下市政の評価が主な争点となります。
すでに選挙戦が始まっている大阪府知事選挙も、2015/11/08(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]
バンキシャ!は毎週、注目を集めている事件・出来事について、他にない切り口で検証を加える番組です。今週もスタッフは各地に飛び、ただいま取材中。ご期待ください。
詳細情報
番組内容
真相報道バンキシャ!は福澤朗と夏目三久がお伝えする〈新型〉報道番組。日曜の夜、その1週間の起きた出来事について視聴者の方に「なるほど、そういうことだったのか」と言っていただける番組づくりを目指しています。取り上げるのは、事件・事故・政治・経済からスポーツまで、硬軟とりまぜ幅広く。ニュースの新しい見方をご提供いたします。番組への情報、ご意見は番組HPまでお寄せください。
出演者
【MC】
福澤朗
夏目三久
【ゲスト】
番組ホームページ
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