これでわかった!世界のいま▽“歴史的”中台首脳会談について台湾市民の意識はいま 2015.11.08


相手の守備を崩す活躍が期待されます。
火山が噴火を繰り返すインドネシア。
人気リゾートのバリ島では空港が閉鎖され、観光客が足止めになりました。
この中にいたのが。
大変でしたね。
これでわかった!世界のいまです。
私もびっくりしました。
空港閉鎖を知りませんでしたので普通に帰れたんですが空港には人があふれかえってすごかったです。
今夜も最後までおつきあいください。
今夜のゲストは2回目のゲストです。
俳優の蟹江一平さんです。
よろしくお願いします。
きょうの時間割りですけれども番組後半ではテロの可能性が高まっているロシアの旅客機の墜落についてじっくり掘り下げます。
1時間目、中国と台湾歴史的な首脳会談が行われました。
分断から66年。
1分20秒間にわたって長い握手を交わしたお・ふ・た・り。
中国と台湾の初めての首脳会談。
こちらの奥の部屋で今、行われています。
お互いこそが1つの中国の正統な政府だという建て前は守りつつも円満さをアピールしました。
中国では特別番組も。
やっぱり歴史的なことなんだね。
台湾の人たちは、さぞかし盛り上がっているんじゃない。
ん?どういうこと?誰か教えて。
はい、では今からそちらに向かいます。
きょうの先生は逵健雄記者です。
よろしくお願いします。
シンガポールからけさ来てくれたんですよ。
逵さんは北京駐在ですが台湾にも3年駐在したことがあって両方に精通しています。
きのうの会談、どうでしたか。
600人以上の報道陣が詰めかけましてすごい熱気で、いかにも歴史的会談という感じでした。
歴史的な会談にもかかわらず千里さん、先ほどのを見てても台湾の市民は温度差がありましたよね。
これはどういうことです。
インタビューにもありましたが会談で今すぐ変わるということはないからです。
中国は台湾統一を目指しています。
台湾へ武力で威嚇を続けています。
やめることはありません。
一方、台湾の人たちの大半は現状維持がいいと言っています。
これは台湾にしかいないツキノワグマです。
台湾は国として認められてはいませんが中国とは実際には別々のような国がいい、そういう状態でいいと考えています。
ビジネスはこれまでどおりやればいいし何を話し合う会談かよく分からないというところだったんです。
中国と台湾は私の中では仲がいいイメージはないですがいきなり会談したようなイメージがありますが。
そんなに急に会談をしたというわけではなく中国共産党にとってはもともと国民党と内戦を戦っていたんです。
国民党が共産党から見て滅ぼすべき敵だったんです。
その後、経済発展のために台湾からの投資や技術をもらおうということになりだんだん敵扱いしなくなりました。
特に台湾が民主化してからは独立を目指す民進党という政党が出てきました。
中国は台湾の独立は絶対に許さないという立場でしたので民進党をいちばん警戒するようになりました。
国民党は昔は敵だったのですが今は仲よくなりました。
中国と国民党が仲よくなったので首脳会談したということですよね。
なぜですか。
なぜ今かというと台湾と中国双方にねらいがあったんです。
まず台湾の馬英九さんのほうです。
台湾は来年1月に台湾総統選挙が行われます。
馬英九さんが所属する国民党が今情勢がよくないのです。
それで、この会談をすることによって国民党に有利になる。
つまり中国と仲よくしたほうがビジネスでも有利でしょと。
だから国民党を応援してくださいということで会談をセットしたのではないかと言われています。
それから馬英九総統はあと半年後に退任するんですがレガシー作り、66年間やったことのなかった首脳会談をやり、歴史に名を残したかったとみられています。
一方中国側はどうですか。
中国共産党は1つの中国の考え方、これを建て前として台湾の独立は絶対に許さない、1つの中国さえ守れば台湾とは仲よくできますよということを台湾の人に示したかった。
そしてあわよくば国民党の選挙を助けてあげようという効果もねらったとみられています。
選挙に効果はあるのですか?その前にもう1つ。
習近平さんの今回の会談のねらいは南シナ海、あるいはTPP、中国は孤立しているイメージがありますので、平和的な会談でソフトなイメージを印象づけたいというねらいもあったと思います。
これで本当に選挙に効果はあるんですか。
そうとも限らないです。
それは台湾の人の中国に対する感情が大きく分かれているからです。
そこからは俺から説明させてくれ。
昔々、中国大陸で。
国民党が共産党の攻撃に追われ台湾へ逃げてきたんだ。
国民党や国民党と一緒に来た人たちは台湾を統治。
外省人と呼ばれた。
台湾の人口の1割以下なのに政界や財界の偉い地位に就くなど台湾を牛耳ったんだ。
このとき外省人に支配されていたのが元から台湾に住んでいた本省人だった。
本省人とは、ずっと前に中国から移り住んだ人たちやアミ族などの少数民族のことだ。
その後、台湾は民主化。
台湾を支配していた外省人はビジネスを重視する今の国民党の支持者のもとになった。
そして支配されていた本省人のうち、国民党に反発する人たちやビジネスより台湾人であることを重視する人たちが民進党の支持者になったんだ。
今現在も本省人と外省人は対立しているのですか。
今は外省人の人も3世、4世の時代になっていまして以前ほど対立は意識されなくなってきています。
ただシップの言うとおり、中国とのビジネスを重視する人は、国民党支持が多いです。
台湾人という意識を重視する人は民進党を支持することが多いです。
それから最近はもう1つ格差の問題があります。
国民党が中国と仲よくして経済のつながりも強くなったのですがそれで潤ったのは一部の人だけです。
大半の人たちは置いてけぼりです。
中国と仲よくして何がいいのかというと不満を持つ人たちがたくさんいます。
この人たちは民進党を支持しています。
何を重視するかで大きく2つに分かれているということなんですね。
ここで気になるデータが1つあります。
こちらです。
台湾の若い人たちにあなたは何人ですかという質問をする意識調査がありました。
台湾人ですと答える人が6割でした。
中国人と答える人は僅か3%でした。
この3割以上の人たち、これは何と答えたか千里子さん、分かりますか。
台中人。
当たりです。
台湾人でもあり中国人でもあると。
そういうふうな考えです。
答え方としてはずるいですよね。
ずるいということではなくて先ほど言いましたように中国は武力で台湾を威嚇していますので中国人と答えておかないと怖いと考えている人もいるんです。
もし中国が台湾を威嚇しなくなれば台湾人ですという人ももっといると思います。
経済も台湾人意識も大事という人もいるのではないですか。
選挙ごとに国民党を支持したり民進党を支持したりするそういうことになっています。
注目の選挙ですがあと2か月余り、現地の最新情報どうなっているのか見てください。
選挙戦では民進党の候補の蔡英文さんがリードしています。
国民党はずっと劣勢だと伝えられています。
これに焦ったのか国民党は先月、全然、今まで決まっていた女性候補から党首でもある朱立倫さんにすげ替えたんです。
公認候補を変えるのは異例のことなんです。
それでも最新の世論調査では、民進党の蔡英文さんが45%余り、国民党候補の朱立倫さんは26%余り、差は縮まっていないのが現状なんです。
台湾の東アジアでも最も親日的といわれてますが選挙で何か大きく変わるのですか。
東日本大震災のときでも台湾の方からたくさんの義援金をもらいましたよね。
日本が好きだという対日感情は変わることはないと思います。
選挙で変わりそうなのは台湾当局と中国との距離の取り方です。
これは非常に大事な問題です。
中国は台湾統一に向かって経済力で台湾をゆっくり飲み込んでいこうという方針なんです。
形の上では統一していなくても中国の言うことを聞かないと台湾は生きていけないということにしようと考えています。
台湾の方はそれは望んでいません。
台湾の人たちは民主主義。
中国とビジネスしながら現状を維持しようというふうに思っているんです。
きょうは歴史的会談について北京駐在の逵記者でした。
ありがとうございました。
2時間目。
こちらも大きなニュースです。
事故なのかそれともテロなのか。
先月31日ロシアの旅客機が墜落した事故ですがここ数日で大きく展開しています。
テロリストの声明が指すのは。
エジプト、シナイ半島で起きたロシア旅客機の墜落です。
224人の乗客・乗員は全員死亡しました。
エジプト当局などが原因の調査に乗り出しています。
こうした中。
いち早くテロを示唆したのはイギリスでした。
フランスのメディアも。
しかし、当初からテロの可能性に否定的な見方を示すエジプト当局は日本時間きょう未明の記者会見でも。
いまだテロかどうかの確証はないことを強調。
一方でボイスレコーダーに録音が途切れる直前、雑音が入っていたとしたうえで今後詳しい鑑定を行うとしています。
犯行声明を出したISシナイ州の意図は。
そしてISに急接近を図るある国際テロ組織のねらいとは。
ISシナイ州って初めて聞きました。
ISなんですか。
もう1人、先生を呼んでいます。
国際部から太デスクです。
よろしくお願いします。
いろいろめまぐるしく動いていますがISシナイ州とはどういう組織なんですか。
エジプトのシナイ半島を拠点にしていた地元のイスラム過激派組織です。
ISの指導者バグダディ容疑者に忠誠を誓ったためISの1つの州と名乗っているんです。
最近ではエジプト国内で軍や警察を狙った爆破事件で犯行声明を出しています。
今回のロシア機の墜落は本当にそのISシナイ州がやったのですか。
アメリカやイギリスは通信の傍受などの情報をもとにこうした発言をしていることが考えられています。
日本時間のきょう会見したエジプトの調査チームは機体が飛行中にばらばらになったとみていることを明らかにしていてテロであってもおかしくはないという指摘が出ています。
1つ注目したいのがこの墜落した日にちです。
ISシナイ州は声明の中でこれが起きた日に気付かないのかと言っているんです。
ロシアの飛行機が墜落したのは先月10月31日でした。
実はISシナイ州がISに忠誠を誓う宣言をしたのは去年の11月10日なんです。
日にち違いますよね。
一見関係のないように見えますよね。
ところがISに忠誠を誓った日にちをイスラム世界で日常的に使われているイスラム歴、これは太陰暦なんですが、このイスラム暦にしますと、1436年のムハッラム1月17日、そして墜落した日にちを見てみると1437年のムハッラム1月17日、つまりちょうど1年の記念日になるんです。
この日に合わせてISシナイ州がテロを起こしたとしても不思議ではないとみられているんです。
怖いですね。
ISって国のようなものと思っていましたがISシナイ州のようにいろいろな組織があるのですか。
確かにISはシリアとイラクで新たに役所を作ったり税金まで徴収したりして国家の形にこだわってきました。
しかし今次第に変化し始めているんです。
その変化というのは名義貸しとアジアへの広がりです。
この名義貸しというのはISシナイ州のように世界各地の過激派組織にISを名乗ってもいいよと言っているんです。
そして過激派組織がISの名義を使って勝手に活動するようになり、いつどこでテロが起きるか予測がしづらい状況になっているんです。
さらに、そのテロのリスクが高まっているのがアジアなんです。
なんでですか。
怖いです。
アジアでは今、ISに共鳴する人が増えているんです。
アジアはイスラム教徒が多いうえに貧困や格差による社会への不満があります。
ISに共鳴しやすい条件がそろっているんです。
このためISは戦闘員の勧誘をアジアでも精力的に行っているんです。
この勧誘に成功すれば日本円で100万円以上の報酬がもらえるという話もあります。
ISの活動は変化しているということですよね。
1つにはIS本体が弱体化してきていることが背景にあると思います。
弱体化しているのは、いいことではないですか。
ただこの弱体化が生む副作用が今脅威になっているんです。
太さん、シップに聞いてみましょうか。
また俺か、きょうは2回目だけど裕貴が言うならしかたないか。
この脅威にはあのアルカイダが関係しているんだ。
アルカイダっていえば。
14年前の911の犯人たちだよな。
そのアルカイダはロシアのIS空爆に、よしきたって思ってたんだ。
これ聞いてみろよ。
アルカイダのトップが話してるんだ。
要はアルカイダはISと一緒に戦いたいって言ってんだ。
ん?ちょ、待てよ?アルカイダとIS?こりゃ大変だ。
アルカイダという名前久しぶりな感じです。
ISばかりが注目されていますが過激派の本家本元であるアルカイダも活動しているんです。
なぜ目立たなかったかといいますとISと絶縁しているからなんです。
絶縁、何かあったのですか?それは目指すものが違ったからです。
アルカイダが目指してきたのはイスラム教徒を抑圧する欧米という敵と戦うということでした。
一方のISはシリアとイラクの国内で政権の弾圧から逃れるいわば避難場所を確保するための自分たちの国家の樹立が目的でした。
アルカイダはISに対して国家の樹立なんかにこだわらず欧米との戦いに集中するよう助言をしていましたがISはこれを無視しました。
またアルカイダは同じイスラム教徒さえもちゅうちょなく殺害するISの残虐性に嫌気が差したといわれています。
ところがアメリカに加えロシアによる空爆も始まりアルカイダは仲が悪いISとはいえ同じイスラム教徒が犠牲になっていることに反発して団結して戦うよう呼びかけたのです。
具体的に団結するとどんなことが起きるのですか。
これまで二分していたものが協力することになるので過激派の脅威は大きくなります。
世界のイスラム過激派組織をこちらで見てみましょう。
アルカイダは、このアフガニスタンとパキスタンで勢力を拡大させました。
現在も活動を続けている主なアルカイダ系の組織は、この黄色い部分です。
さらにアフガニスタンで訓練を受けた戦闘員たちが中東はもちろん、中央アジアやロシア、それにアジア各国に戻って活動しているといわれています。
一方のISは、このピンクで示した部分です。
ISは支持者が多いとみた国に一方的に州を設置したと発表しています。
この2つの勢力が合わされば過激派の活動範囲はかなり大きくなります。
世界中に散らばっているという感じがしますね。
それだけではないのです。
ISとアルカイダの強みが合わさると過激派の危険度がさらに増すことになるんです。
それはこちらで説明したいと思います。
この1つの町が世界だと思ってください。
過激派の老舗であるアルカイダは本社がありまして、たくさんの支店を持っています。
まさにコンビニのフランチャイズのようなもので、それぞれの支店が独立して活動しています。
世界のイスラム過激派組織からメンバーをこの本社に集めて訓練し、戦う思想を拡散させて、いわばネットワークを作り上げてきたんです。
先ほどシナイ州とありましたがISはどうなんですか。
ISが名義貸しを始めたのは最近で歴史があるアルカイダほどには広がっていません。
ISは新しく出てきた、いわばIT企業のようなものです。
インターネットを使って不特定多数の人に過激な思想を広めようとしています。
ここで言いますと店舗の展開は重視せずに大型モニターで不特定多数の人に訴えているんです。
ブランド力のあるISに興味を抱いた若者がこのアルカイダの店舗を利用するようにもなると危険が増すことになります。
このISとアルカイダ、共闘したときにどういう怖さがあるんですか。
例えば資金面です。
ISは住民からの税金を取っています。
そして石油の密輸など支配地域からの収入を主な資金源にしています。
一方のアルカイダは共鳴するイスラム教徒からの寄付が中心です。
資金が増えると先ほどお話ししたようにアジアなどからの戦闘員が増やせるわけです。
また、武器の調達ルートも広がります。
今まではアルカイダのシンパだったからISの言うことを聞かない、逆にISのシンパだからアルカイダの言うこと聞かないということがありましたが、共闘、つまり一緒に戦うようになると双方が補完し合って活動の規模が一段と大きくなります。
こうなってくると実は、ある国が大きな衝撃を受けるわけなんです。
千里さん、ある国、どこでしょう。
アフリカ。
アメリカ。
アメリカは今、内戦が続くシリアで反政府勢力を支援しています。
しかしこの反政府勢力、主要な戦力となっているのが実はアルカイダ系の組織なんです。
ISとアルカイダが手を結ぶことになるとこの反政府勢力がアメリカに銃口を向けることになります。
まさに状況は一段と混迷を深める事態になってしまうんです。
また影響は世界にも広がっていきます。
これまで世界でにらみ合っていたイスラム過激派の大きな2つの組織がくっつくことでイスラム過激派の戦う大義がより明確になり、イスラム教徒と異教徒、つまり非イスラム教徒という対立構造が強まっていきます。
当然、日本も異教徒、非イスラム教徒側と考えられることになります。
今回のエジプトでのロシアの旅客機の墜落が仮にテロだったということになった場合、日本人にとっても決してひと事ではないという認識が必要だと思います。
実際に徐々に東に、アジアにもきているということですよね。
先月、バングラデシュで起きた日本人の殺害事件においても名義貸しにおいてISバングラデシュというところが声明を出しています。
2015/11/08(日) 18:10〜18:42
NHK総合1・神戸
これでわかった!世界のいま▽“歴史的”中台首脳会談について台湾市民の意識はいま[字]

1949年の分断後初となる中国と台湾の首脳会談開催。歴史的といわれる会談について台湾市民の意識はいま?近づく総統選挙との関係は?徹底解説!【ゲスト】蟹江一平

詳細情報
番組内容
【ゲスト】蟹江一平,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴
出演者
【ゲスト】蟹江一平,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴

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