二酸化炭素濃度:過去最高を更新…世界気象機関・昨年平均
毎日新聞 2015年11月09日 20時07分(最終更新 11月09日 23時44分)
世界気象機関(WMO)は9日、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の昨年1年間の大気中の平均濃度が397.7ppmと、過去最高値を更新したと発表した。30日からパリで始まる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で報告され、新たな地球温暖化対策の議論の資料として使われる。
世界の温室効果ガス濃度は、気象庁が分析を担当し、世界各地の観測結果を基に算出。昨年のCO2濃度は前年比1.9ppm増で、過去10年の増加ペース(年平均2.06ppm増)と変わらなかった。CO2の由来などを解析した結果、石油、石炭の燃焼など人間活動による排出量の約44%は、海水や森林などに吸収されず、濃度上昇の原因になっていた。
米海洋大気局の解析によると、今年3、4、5月の各月平均で世界の平均濃度が400ppmを超え、気象庁の小出寛・全球大気監視調整官は「濃度上昇が止まる兆候はまったくない」と話す。【大場あい】