福島をずっと見ているTV vol.52「復興イベントからつながる場へ」 2015.11.08


9月箭内さんが毎年秋に開催している音楽イベント「風とロック芋煮会」が福島県白河市と猪苗代町で3日間にわたり開かれました。
・「今ここから始まるから」地元出身者ばかりでなく福島で歌を届けたいという熱い思いを持った55組のミュージシャンたちが集結。
1万3,000人がライブを楽しみました。
震災から4年半。
今福島の人たちはどんな思いでこのイベントに参加しているのでしょうか?こちらの女性は…これまでさまざまな試みをしてきた箭内さん。
今年の芋煮会でも新しく始めた企画があります。
その名も「アコワングランプリ」。
7月から県内各地のライブハウスで予選会を開催。
48名がギター1本で思いを表現しました。
この「アコワングランプリ」を取りしきったのが福島県富岡町出身のミュージシャン…今の福島の人たちに必要なものは何なのか考え続けてきた箭内さん。
福島での音楽イベント。
これからどんな形にしていこうとしているのでしょうか。
「風とロック芋煮会」の初日。
猪苗代湖畔に今年出来た野外音楽堂で「アコワングランプリ」本戦が開かれました。
(渡辺)一つよろしくお願いします。
予選を通過した15名がステージに立ちます。
どうもよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まず合原さんが話を聞いたのは福島県富岡町出身で今は埼玉で活動している…伊藤さんにはどうしても歌を聴いてもらいたい人がいました。
あっそうなんですか。
体調を崩してしまい会場には来られませんでしたが2人への思いを込めた歌を披露しました。
緊張してます。
してる?続いてステージに上がったのは出場者の中で最年少。
福島市の高校に通う…予選の時「アコワン」に懸ける思いをこんなふうに語っていました。
弾き語りを始めて半年。
人前で歌うのはほとんど初めてです。
お願いします!
(拍手)
(ギター)演奏したのは地元出身の片平里菜さんのカバー曲。

(拍手)ありがとうございました。
次会う時は絶対うまくなって帰ってきます!
(歓声と拍手)そうですね。
そうですよ。
今回の出場者で唯一福島出身でも在住でもない人がいました。
震災があってから福島に通うようになったという大督さん。
いわきの小学生たちと一緒にコンサートを開くなど交流を重ねてきました。
「アコワン」は芋煮会のこれからの形の理想形の一つでよく言っているのは「福島で」やるんじゃなくて「福島の」をやりたいの。
だから福島のいろんなミュージシャンをゆかりのある人も含め紹介できる場が欲しいなって思ってたとこにまたこのナイスアイデアを…。
「箭内さん弾き語り選手権『アコワン』やりましょうよ」って。
っていうのは一番難しい時期に来てるっていうか例えば「福島元気だよ」とか「大変なんだ」って言ってる…。
両方短い時間でも両方言えればいいんだけど言えない人もいっぱいいるんでただ弾き語り1曲でそういうのって伝わる可能性ってすごいやっぱあったんでなんかそのうまさとかそういう事よりもう〜ん何だろう…「思い」ですね。
それが強いっていうのがまず一番でみたいな。
やっぱり人の前に立つって事と比べられるって事と負けるって事こんな苦しい事ないね。
ない。
ほんとは審査されたくないですよ。
負けたくないですよ。
でもその勇気がやっぱりうれしかったですね。
それ見て「俺も」ってね弾き語り始めなくても俺も意見言おうとか俺も人に優しくしようって…。
それがバーッとこう広がっていきますよね。
ほんとそう。
だから福島県が一回傷ついたっていったら変ですけど…。
でもなんかこうあってそこの中で一歩踏み出して手を挙げて何かやるっていうのがやっとなってきたんではないかなというのを感じました。
この「アコワン」では。
「アコワン」の初代グランプリに輝いたのは…。
(渡辺)優勝者はMANAMIさんです!おめでとうございます。
福島市を拠点に活動するシンガーソングライターのMANAMIさん23歳です。
16才から音楽活動を始め女子高生シンガーとして地元では注目される存在でした。
そして19歳で上京。
しかししばらくして歌が歌えなくなってしまい僅か2年で福島に戻る事に。
福島に戻りまた歌を歌い始めたMANAMIさん。
移動はもっぱら電車が多いといいます。
私すっごいほんとに…この日は地元のお祭りで歌ってほしいと声がかかりました。
それではじゃあMANAMIさんよろしくお願いいたします。
皆さん拍手でお迎え下さい。
はい拍手〜!
(拍手)歌ったのは家から乗ってきた飯坂線の歌。
演奏が終わると地元の女子高生たちがサインをしてほしいと集まってきました。
福島に戻り地元の人たちと触れ合っていく中で歌う喜びを取り戻していったMANAMIさん。
そんな中で勝ち取った初の大舞台「風とロック芋煮会」の会場へとやって来ました。
一緒に「アコワン」を戦ったミュージシャンたちも駆けつけていました。
「アコワングランプリ」優勝者MANAMIちゃんです!よろしくお願いします。
(歓声と拍手)・MANAMI!
(歓声と拍手)あたたかい拍手と大歓声で迎えられたMANAMIさん。
・「ねえどうか神様!」東京から戻り福島で歌っていく覚悟を決めた時に作った歌を歌いました。
初めて歌を聴く観客がほとんどにもかかわらずあたたかい空気が会場を包んでいました。
(拍手と歓声)ありがとうございました。
(拍手)
(渡辺)一発目の…あったかいね。
はいありがとうございました。
ああ…終わった。
(渡辺)いいですね。
うん。
なんかやっぱ東京とかに一回いろんな夢を持って一回こう来てちょっと諦めて…。
友達とか…なんか会いたくない感じとかでも相談して「やればいいのに」っていうので諦めないでやった感じが全部曲に詰まってる感じするんですよね。
2回上京して帰ってきた時に私は福島じゃなきゃ自分らしくいられないというところにすごく気付いて楽しく音楽ができるのは福島で自分らしくいられて自分らしく音楽やれるのが福島だってもうその時に気付いたから福島でずっとやっていこうっていう気持ちを思って…。
実際に参加してみて改めて気付いた事だったりとか感じた事ってありますか?もちろん楽しかったんですけど終わったあとすごい次もっとこうしたいなとかこれからもっとこうしたいなとか悔しいなって気持ちばかりでした。
すばらしい。
選んでよかったねほんとに。
やって楽しかった念願かなったで終わりじゃないのはすごく…。
でもステージ降りた時にみんなあったかくてよかったみたいにおっしゃってましたよね。
あったかいですね。
なんか「MANAMI!」みたいに言ってもらえたりすると思わなかったしなんか手拍子してくれたりだとかお客さんすごいあったかいですよね。
なんか優しいあったか〜い空気が流れてるってね…。
私も行って実際感じたんですけど。
特にね最初いろんな怒りだったりとかなんか悔しさだったりとかそういうのが最初の方僕あったような気するんですよね。
でも俺一番大事なのは優しさだなと思って福島優しいなっていうのが…。
「日本一優しい県福島」っていうふうに僕はやりたいんですよね。
今年の「風とロック芋煮会」ではライブだけでなくミュージシャンたちによる野球の試合も行われました。
(観客)かっとばせ〜箭内!
(実況)第5球!あ〜かすった!右へのゴロ。
おっと!?どこまで行くんだ?試合を盛り上げていたのがブラスバンド隊。
これ実はお客さんたちが自主的に始めたものなんです。
(スタッフ)お金払って来てるの?すごいな。
中には県外からやって来たメンバーもいます。
(スタッフ)え〜!?渡辺俊美さんがバッターボックスに立つと…。
渡辺さんの歌をアレンジした応援歌を演奏します。

(スタッフ)譜面をじゃあ…。
(スタッフ)すごいね。
そうです。
高校生をはじめ…ほんとにみなさんが。
ただお客さんとしてイベントを楽しむだけでなく自分たちも何かできる事を見つけて福島を盛り上げていきたい。
そんな思いを持った人たちがつながり始めていました。
(一同)ありがとうございま〜す!どうもありがとね皆さんね。
(一同)ありがとうございま〜す。
おかげで盛り上がりました。
ありがとうございます。
また来年!また来年。
また来年ここで!ここで会いましょう!あのほんとにブラスバンドはさっきあそこで聞いてたけどチケット買って来てくれてんだよね。
お金払って。
でギャラも僕払ってません。
それがとっても大事な事だなと思ってて。
いやほんとはやってくれるんだったら「場所を用意しますよ」「スタッフパス渡しますよ」「交通費出しますよ」そうじゃないんですよね。
じゃあ私たちは何をやろう…。
駐車場がぬかるんでたらスタックする車をじゃあボランティアで一生懸命みんなで押しますとかほんとにね全員主催者みたいな感じ。
特に今年はそういうなんか準備前からね前の日が雨だったりとか多分スタッフも大変だったと思うんですけどそういうのが一つ呼びかけてみんな集まったりとか一つになってる瞬間みたいなのがいっぱいありましたね。
してもらうって事の心苦しさってすごくあると思うんですよ。
震災以降の福島ってね。
してもらうよりはしてあげたいんだよねみんなね。
それをお互いがそういう形になってくるのが芋煮会の理想の形だなってずっと思っててどんどんなってきてるなっていうふうに…。
「風とロック芋煮会」ってほんといろんな人いますよ。
よく全体が鍋でみんなは具なんだって…。
いろんな考えの人やいろんな出身いろんな立場の人がなんか一つの料理になる場所っていうふうに思ってるんだけど。
1つはみんなでつくる場所にしたいな…。
主催者がこう決めつけてはい楽しんで下さいじゃなくてみんなでつくる場所。
もう一つは友達ができる場所。
だから来れば来るほど最初1人で来てた人が次の年はそこで出来た友達にまた会う…。
1年ぶりに会う日になってる。
3つ目はふるさとを思う場所で福島を思ってほしいって部分とみんなそれぞれのふるさと…。
東京が地元だったら東京を思う場所でもいいなって思ってるんですけどね。
今後更にこうなってほしいな…。
「アコワン」は是非来年もなんかやってほしいなと思いますね。
ブー。
(笑い声)あれ?「やってほしいな」じゃなくて「やります」ですよ。
自分も出場するのもいいけど俊美師範を手伝って…アシスタントで。
逆に一緒にね…。
実行委員入って。
(MANAMI)是非会場を回らせて下さい。
みんなでつくるっていうかみんながつくる。
そこに僕も俊ちゃんも引っ張られてくみたいなね。
そういう状態に多分何年かたつとどんどん…。
なってきますね。
なるんだよね。
将来的にはもう「芋煮会に行ってきます」みたくお客さんになるのが理想だね。
そうですね。
2015/11/08(日) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
福島をずっと見ているTV vol.52「復興イベントからつながる場へ」[字]

箭内さんが毎年9月に福島で開催している音楽イベント「風とロック芋煮会」。今年も白河市と猪苗代町で開かれた。これまで様々な試みをしてきた箭内さんの新企画とは…!?

詳細情報
番組内容
今年の「風とロック芋煮会」では初企画「アコワングランプリ」を開催。福島県内各地のライブハウスで予選会を開き、48名がギター一本で思いを歌にこめ戦ってきました。優勝者は「風とロック芋煮会」のステージでライブができるというこの企画。参加者はどんな思いで挑戦したのか?震災から5度目を迎えた「風とロック芋煮会」、変化しているのは企画だけでありません。お客さんの参加の仕方にも変化が現れ始めています。それは…
出演者
【ゲスト】ミュージシャン…渡辺俊美,シンガーソングライター…MANAMI,【司会】箭内道彦,合原明子,【語り】相沢舞

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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