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 診療報酬を請求する権利を医療機関から買い取り、資産運用のための債券(レセプト債)を発行していたファンド3社と運用会社1社が破綻(はたん)し、東京地裁に破産手続きの開始を申し立てたことがわかった。会社側の説明によると、発行債券の残高は約227億円に上り、大部分が償還されない恐れがあるという。証券取引等監視委員会が経緯に不審な点があるとして調査を始めた。

 6日に破産手続きの開始を申し立てたのは、メディカル・リレーションズ・リミテッド(東京都新宿区)などファンド3社と、運用会社のオプティファクター(東京都品川区)。メディカル社は6日に破産手続き開始が決定された。4社の負債総額は約290億円。

 診療報酬は患者を診察した医療機関が、健康保険組合側などに請求するが、実際の支払いまでに時間がかかる。メディカル社などは診療報酬の請求権を医療機関から買い取り、レセプト債を発行。4社の代理人によると、債権者は最大で3千人程度になる可能性があるという。

 オプティ社は自社のホームページ上で、破産手続きに入ったことを説明している。同社とファンド3社の創業者である前代表取締役が亡くなった2013年3月以降、財務状況を調べたところ、決算書に実態が確認できない資産や売り上げが多額に計上されており、確認できた資産の合計額は債券発行残高に比べてわずかだったという。