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 韓国からのフェリーで金塊約20キロを密輸し、外国貨物を輸入する際に支払う消費税を脱税しようとしたとして、門司税関(北九州市)が9日、香川県内の50代のトラック運転手の男を関税法違反(無許可輸入)と消費税法違反の疑いで山口地検下関支部に告発したことがわかった。金の密輸の摘発例で、船を使うケースは珍しいという。

 関係者によると、男は10月下旬、山口県下関市から活魚運搬トラックに乗って関釜フェリーで韓国・釜山へ渡航。帰国の際、重さ約1キロの金の延べ板約20個をトラックに隠して、密輸しようとした疑いがある。下関港に着いた同月22日、税関がトラックを検査し、延べ板を発見。門司海上保安部が関税法違反の疑いで男を逮捕、送検していた。

 延べ板は純金で価格は1億円近く、課税額は700万円を超すという。国内の貴金属店は消費税を上乗せした価格で買い取るといい、男は金を転売し、脱税分のもうけを得ようとしたとみている。

 財務省の統計では、今年6月までの1年間に発覚した金の密輸件数は全国で177件、消費税の脱税額が約2億4千万円と過去最多。いずれも旅客として飛行機を利用する手口で、船を使うケースはなかった。