伊方原発:過酷事故想定で愛媛と近隣6県1万人超避難訓練
毎日新聞 2015年11月09日 10時19分(最終更新 11月09日 11時26分)
政府は8、9の両日、年明け以降の再稼働が見込まれる四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)での過酷事故を想定した原子力総合防災訓練を、同原発周辺などで実施した。愛媛と近隣6県などから過去最多の約105機関・計約1万4570人が参加。避難計画の実効性を検証した。
8日午前8時半に愛媛県で震度6強の地震が起きて原子炉を冷却できなくなり、放射性物質が外部に漏れたとの想定。午後3時半すぎ、安倍晋三首相が官邸で原子力緊急事態を宣言した。
伊方3号機は佐田岬半島の付け根に位置しており、先端側の住民約5000人は過酷事故時、孤立の恐れがある。そのため、5キロ圏外でも5キロ圏と同様に即時避難することが定められており、9日には住民約70人が海上自衛隊の船や民間のフェリーで大分県に避難する訓練が初めて実施されている。
同原発は7月に原子力規制委員会の安全審査に合格。先月、知事らによる地元同意が完了した。【橘建吾】