弟分のハレの日は、我が家の大切な人が他界した命日で、何十年経ってもどこか心にすきま風みたいな埋まらない淋しさが蘇ってくるちょっと切ない日だったのですが、何十年後の同じ日に、今度は大切な弟分が新しい御縁を紡いだ記念の日になろうとは。
弟分とその奥さん二人で、忙しいお式の当日にもかかわらず、弟分をこの上なく愛していた我が家の大切な人のお墓参りをしてくれたそうな。
すごくありがたくて、何十年経っても色褪せず変わらないものってちゃんとあるんだなぁと感激しました。
およばれの披露宴会場へ向かうバスの中から見た空を何度も見返しながら、気持ちをまとめています。いつだって空は大事なひとときをもたらしてくれます。
披露宴のごちそうもなかなかだったけれどこの美味しさには敵いませんでした。
披露宴会場へ向かうバスを待つ間にいただいた、しょっぱめな桜湯と、披露宴までに時間空くから小腹を満たしてくださいと新郎母が用意してくれたお赤飯のちびおにぎり。
「新郎恩人」として出席させてもらった披露宴でした。
何もしてないのに。
逆に楽しくて豊かな時間を過ごさせてもらったのに。
大切な人がいなくなってしまった悲しさを薄めてもらったのはこっちなのに。
間違った愛情は注いでない自信だけはあります。
愛情は裏切らないものなのですね。ただし、無償の。