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気になることを調べてみたブログ

気になることを調べてみるブログです。とにかく何でも調べます。何も調べてないことも多々あります。

理解していますか?営業利益・経常利益などの様々な利益の違い

経営 ビジネス 経済

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利益だけでも様々な種類がある

一口に利益と言っても、営業利益や経常利益など様々な区分があります。日経新聞を読んでいると頻繁にこの用語が出てきます。

では、これらの違いとは何でしょうか。

 

売上総利益(粗利)

一般的に粗利と呼ばれる利益。単純に売上から売上原価を引いた利益が売上総利益です。

例えば、2000円で仕入れた洋服が5000円で売れたとすると、売上総利益(粗利)は3000円です。これは簡単ですね。

もし2000円の洋服を100着仕入れて、そのうちの80着が5000円で売れたとした場合。この場合は売り上げは400,000円ですが、仕入れは2000円×80着=160,000円で計算されます。売れ残った20着は資産として計上されます。

売上 - 売上原価 = 売上総利益(粗利)

 

営業利益

商品を売るためには様々なお金がかかります。人件費や店舗の賃料、光熱費、消耗品も必要です。お店の宣伝もしなきゃいけないですね。このような経費を販売費及び一般管理費といいます。売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益を営業利益といいます。

販売費及び一般管理費に含まれる経費

  • 人件費(給料やボーナス)
  • オフィスや店舗の賃料
  • 通信費
  • 水道光熱費
  • 広告宣伝費
  • 接待交際費
  • 保険料
  • 交通費
  • 消耗品費 などなど

売上総利益 - 販売費及び一般管理費 = 営業利益

 

経常利益

営業利益は売上から本業に関わるコストを引いたものでした。しかし、企業というのは本業以外からも収入や支出があります。本業以外の損益を営業外収益・営業外費用といいます。営業利益から本業以外の損益を加えたのが経常利益です。

 

営業外収益

  • 受取利息
  • 受取配当金
  • 有価証券売却益 など

営業外費用

  • 支払利息
  • 有価証券売却損
  • 有価証券評価損 など

本業で儲けていても、借入金の利息は払わないといけませんね。逆に、株で儲けているような会社もあったりします。

営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益

 

 

 

税引前利益

毎年発生する損益だけでなく、一時的に発生してしまう利益や損失もあります。たとえば、不動産を売却したりとか災害があって損失が出たり。これらを特別利益・特別損失といいます。これらの損益を経常利益から引いたのが、税引前利益です。

特別利益

  • 固定資産売却益
  • 長期保有の有価証券売却益
  • 関係会社・子会社株式売却益
  • 引当金の戻入金
  • 前期の損益修正 など

特別損失

  •  固定資産売却損
  • 長期保有の有価証券売却損
  • 災害による建物の損失
  • 前期の損益修正 など

本業の収益と別にすることによって、本業の収益性の分析がしやすくなります。

経常利益 + 特別利益 ー 特別損失 = 税引前利益

 

当期純利益

税引前の利益から、支払う税金の額を引いたのが当期純利益です。これが、企業の最終的な利益です。税金とは、法人税、住民税及び事業税ですね。

税引前利益  −  税金  =  当期純利益

 

まとめ

単純に売上から仕入れを引いたのが、売上総利益(粗利)。本業に必要な経費を差し引いて得た利益が、営業利益。本業以外での収益を加味して残ったのが、経常利益。一時的な損失や利益を加味して残ったのが、税引前利益。そして、支払う税金を引いて最終的な利益が当期純利益です。

当期純利益だけを見ても、企業の収益性を分析することはできません。一時的に株や不動産の売却で儲けただけかもしれません。もしくは、本当は儲かっていたのに、災害などで一時的に赤字になってしまうこともあります。これらの収益は別で考慮しないといけません。そのため、このように区分しているんですね。

利益の分析方法については、また改めて書こうと思います。