2015-11-09

救急車で聞かれること

あるクソブロガーが「(笑)」とか挟みながら軽い気持ちで書いてるのが気に食わない。消防士は、救急救命士は、人命のために最善を尽くすために質問をしている。

圧倒的に消防よりも救急要請のほうが多いんだが、救急意識の有無等を聞くのには当然に意味がある。

心肺停止かどうかの情報はとくに重要で、心肺停止だったら現場AEDを持って行かなければならないなんてどころではなく、出動態勢から変わってくる。

通常、救急車は3人で出動するのだが、心肺停止状態に3人で対処するというのは厳しい。

胸骨圧迫だけでも30回押したら交替するのがメジャーとなっているくらいで人手不足になるが、もし交通事故だったらとてもじゃないが人が足りない。

たとえば交通事故背骨を損傷している可能性があるとしよう。迂闊に運んで移動中に脊髄を傷つけたら、その人は一生その部位以下に麻痺が残る。だからそういう場合ロード&ゴーという)、背骨がズレないように固定して運ばなければいけないのだが、そんな事故がおきる現場なら救助者が後続の車に轢かれることも十分あり交通整理も必要だ。3人で交通整理しながら運べるか・・・?

そういうわけで、心肺停止が想定される場合には救急車工作車などが2台で急行する。1台ではどうにもならないから・・・。

しかし、素朴な疑問があると思う。そんな質問をしている暇があったら早く出動した方が良いのではないか、と。

大丈夫だ。消防署は、電話がかかってきた段階で通報者の位置を突き止め、管轄署内に出動命令をすでに発している。電話している間にただ待機している、というわけじゃない。

また矢継ぎ早に質問をするわけじゃない。こちらもプロだ。もちろん流れの中で質問するし、相手がわからないと思えば状況から話を組み立てる。

通報者にはとくに専門知識は要求されず、電話口の誘導に従っていくだけでいいはずだ。安心してほしい。

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