長らく苦戦が強いられている日本マクドナルド(マック)が、復活に向け経営改革を進めている。10月26日には新メニュー「おてごろマック」や新たな価格体系を導入した。ただ、これと引き換えに平日昼のセット商品の割引を廃止したことで、実質的な値上げに踏み切ったとの見方もあり、消費者からは非難の声もあがる。価格以外で新たな価値を訴えることができないマックにとって、今回の取り組みは勝算があるのか。
「10年前の『100円マック』の登場以来の大きな変化だ」。10月15日に東京都内で開いた新メニュー発表会でサラ・カサノバ社長は力をこめた。
日本マクドナルドは、使用期限切れの鶏肉や異物混入の問題で苦戦が続いている。今年8月の既存店の売上高は前年同月比2.8%増と、19カ月ぶりにプラスに転じたが、9月には再びマイナスに転じた。一方、客数は9月まで29カ月連続の前年割れが続いており、改善の兆しは一向に見えていない。
同社が顧客離れと売り上げ減少に歯止めをかけるための秘策の一つが、今回の新メニューだ。新メニューは「エッグチーズバーガー」と「バーベキューポークバーガー」、「ハムレタスバーガー」の3種類で、単品価格は200円。フライドポテトやチキンナゲットなどのサイドメニューと飲み物が付いたセットメニューは各500円。カサノバ社長は「お手頃さの新時代を切り開く」と値ごろ感をアピールした。
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