国連:核廃絶向け初の作業部会 決議で採択 日本は棄権
毎日新聞 2015年11月06日 10時21分
【ニューヨーク草野和彦】国連総会第1委員会(軍縮)は5日、核兵器禁止条約を念頭に置いた初めての作業部会設置に関する決議案を賛成多数で採択した。135カ国の賛成に対し、日本を含む33カ国が棄権。米英仏中露を含む核保有国など12カ国が反対した。
決議によると、新たな作業部会は「核兵器のない世界の実現と維持」に向け、「具体的、効果的な法的措置や法規定、規範」について「実質的に取り組む」。国連総会の補助機関として設置され、総会に勧告と報告を行う。来年ジュネーブで開催されるが、核保有国は参加しないとみられる。
日本が棄権した理由について、国連外交筋は「核軍縮には核保有国と非核保有国の協力が必要という日本の立場と照らし合わせた結果」と説明した。被爆国でありながら米国の「核の傘」に守られている日本は、人道的見地から核廃絶への法的枠組み強化を求める2日の決議案採決時にも、同様の理由で棄権していた。
国連総会には2013年にも、「多国間核軍縮交渉の前進に向けた提案を作り出す」ための作業部会が設置され、日本も参加した。しかし、今回の決議は核兵器禁止条約につながる内容が含まれていることから、米英仏中露など核保有国が徹底的に反対しており、非核保有国との対立が先鋭化した。