国会:野党、高木氏ら追及の構え…10、11日に集中審議
毎日新聞 2015年11月06日 22時07分(最終更新 11月07日 00時47分)
与野党は6日、衆院予算委員会で10日に、参院予算委で11日にそれぞれ安倍晋三首相が出席して集中審議を行うことで合意した。10月の内閣改造後、初めての国会審議で、民主党など野党は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の合意内容に加え、新閣僚の「政治とカネ」の問題を追及する構え。中でも、複数の問題が浮上している高木毅復興相の答弁が焦点になる。
高木氏は6日の記者会見で、自身が代表を務める自民党選挙区支部と資金管理団体の政治資金収支報告書に、公職選挙法(寄付の禁止)に違反する恐れがある香典8件16万円、枕花2件2万4000円の記載があったことを認めた。そのうえで「香典は私が弔問に行き、私費で支出した。法的に問題はない。枕花については、後援会関係者に事務所を通じて厳重に注意した」と釈明した。過去に女性の下着を盗んだことがあるという週刊誌報道に関しては改めて否定した。
高木氏は6日の閣議後、首相に陳謝した。野党は「明らかな公選法違反」(民主党幹部)と批判を強めているが、政府・与党は計2日の予算委だけなら乗り切れるとみている。菅義偉官房長官は6日の記者会見で高木氏の進退問題に波及する可能性について「全く考えていない」と強調した。
ただ、公明党の山口那津男代表は5日の会見で「説明責任を尽くすことを徹底してほしい」と注文をつけ、自民党内にも「最近、閣僚辞任のハードルが下がっている」という声がある。政府・与党は臨時国会の召集を見送る方針だが、高木氏の答弁内容によっては、今後の復興相としての職務に支障が出かねない。政府関係者は「説明責任が果たせれば問題ないが、判断するのは国民だ。今の段階では分からない」と語る。
新閣僚を巡ってはほかにも、島尻安伊子沖縄・北方担当相が「カレンダー」を選挙区内で配布した問題や、森山裕農相が代表を務める自民党選挙区支部が談合で指名停止措置を受けた複数の業者から献金を受けていた問題などがある。【水脇友輔、松本晃】