核燃料再処理工場:科学者31人が首相に意見書
毎日新聞 2015年11月06日 20時47分
長崎市で開かれた核兵器と戦争の廃絶を目指す科学者らの国際会議「パグウォッシュ会議世界大会」に参加した科学者ら31人が6日、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場について計画の無期限延期を求める意見書を安倍晋三首相あてに送った。
意見書は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再び核燃料に使う核燃料サイクルは経済的に立ち行かないと指摘。日本がすでに核兵器数千発分に相当する50トン近いプルトニウムを国内外に保有していることを挙げた上で「(工場で生産される)核兵器に利用可能なプルトニウムは核不拡散の努力を弱めるものになる」などとして計画の断念を求めた。
米プリンストン大のフランク・フォンヒッペル名誉教授は6日、東京都内で記者会見し「(生産量が年間8トンに上る)再処理工場が稼働すれば、日本のプルトニウムの量は爆発的に増え、問題はさらに悪化する」と語った。