川内原発:周辺の線量測れず…装置動かす太陽光発電不足
毎日新聞 2015年11月06日 22時35分(最終更新 11月07日 00時59分)
鹿児島県が九州電力川内原発(薩摩川内市)周辺の25カ所に設置したモニタリングポストの稼働状況を会計検査院が調べたところ、稼働に必要な電力を確保できず、空間放射線量を測定できない時間帯が生じていたことが分かった。検査院は同県に対し、改善するよう求めた。
◇検査院、県に改善求める
検査院によると、県は2012年度に国の交付金約6900万円を活用し、川内原発から約30キロ圏内の25カ所に、空間放射線量を24時間体制で監視する太陽光発電式のモニタリングポストを設置した。太陽光パネルから供給された電力を使い、測定する仕組みになっていた。
ところが、検査院が調べたところ、ポストの防護柵や周辺の樹木により陰ができて日射量が不足するなどし、25カ所全てのポストで稼働に必要な電力を確保できていない時間帯があった。この結果、13〜14年度の計7237時間で空間放射線量を測定することができず、測定不能時間が1カ月の約3割(222時間)に上る地点もあった。業者と契約した際、県の担当者は稼働に必要な発電量などを十分に確認していなかったという。【一條優太】