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 「なごやめし」の代表格、きしめんがじわりと「復権」しつつある。ラーメンやパスタに押されて、生産量は右肩下がりだったが5年前に反転。若者向けの新メニューの開発などこの数年、業界を挙げての売り込みが功を奏したようだ。

 名古屋市中心部で10月17、18日に開かれた「名古屋まつり」。なごやめしを売るブースで人気を集めたのは「金鯱(しゃち)カレーきしめん」。ひき肉入りのカレーソースがかかったきしめんの上に、名古屋城の天守閣のシャチホコに見立てたエビフライが2本載っている。

 出店したのは、製麺業者らでつくる「愛知県きしめん普及委員会」。若者を意識し、つゆ以外できしめんを食べるオリジナルメニューとして生み出した。昨年からイベントで出店し、PRに力を入れている。

 「カレーソースを絡めて食べる、パスタのようなきしめん。エビは天ぷらではなく、若者が好きなフライにこだわった」と同会委員長の加古守さん(72)。昨年11月、同県蒲郡市で開かれた「全国ご当地うどんサミット」に出品して2千食を売り、グランプリをとった。

 麺にもこだわった。愛知県農業総合試験場が開発し、3年前から本格栽培が始まった小麦の新品種「きぬあかり」を使っている。ツルツルでもっちりの食感が特長で、外国産よりも小麦の風味が強いという。