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サハリン 日本統治時代の建物保存へ調査11月9日 5時58分
ロシア極東のサハリン南部、元の樺太には、日本が統治していた時代に建設された建物がいまも多く残っていますが、老朽化が進んでいます。このため日本政府は戦後70年のことし、こうした建物を保存しようと、ロシア側と共同で本格的な現地調査を始めました。
調査は先月下旬、サハリンの建築の歴史に詳しい日本人とロシア人の専門家などが参加して、サハリン南部のコルサコフ、元の大泊などで行われました。一行はかつて樺太を統治していた日本政府の高級官僚が住んでいたとみられる官舎や漁船と交信する無線局とされる建物などを見て回りました。また、日本とロシアの政府関係者などが出席するシンポジウムも開かれ、このなかで、サハリン州政府のサベリーエワさんは「当時の遺産を観光産業の発展のために役立てられないか議論したい」と述べ、日本の建物を観光振興に活用したいという考えを示しました。
一方、日本側は建物の保存を通してサハリンを巡る日本の歴史認識についてロシア側に広く知ってもらうきっかけにしたい考えです。在ユジノサハリンスク総領事館の今村朗総領事は、ソビエト軍が終戦直前に日ソ中立条約を一方的に破棄して樺太に侵攻してきたことを挙げたうえで「日本と歴史認識が違うので歴史的な遺産を保存することによってロシアの方に目を向けてもらうことが重要だ」と述べ、サハリンに残る日本の建物を保存する意義を強調しました。
一方、日本側は建物の保存を通してサハリンを巡る日本の歴史認識についてロシア側に広く知ってもらうきっかけにしたい考えです。在ユジノサハリンスク総領事館の今村朗総領事は、ソビエト軍が終戦直前に日ソ中立条約を一方的に破棄して樺太に侵攻してきたことを挙げたうえで「日本と歴史認識が違うので歴史的な遺産を保存することによってロシアの方に目を向けてもらうことが重要だ」と述べ、サハリンに残る日本の建物を保存する意義を強調しました。