伊藤宏樹
2015年11月9日00時57分
かつて、自治体に多くの収益を還元した競輪や競艇といった公営ギャンブル。観客の減少になかなか歯止めはかからないが、ネットの活用や早朝深夜のレース設定で売り上げを伸ばすところも出てきている。各地で「お荷物」にしないための試行錯誤が続く。
「次もがんばれよー」
5連休中の9月22日夕。小倉競輪場(北九州メディアドーム)であったレース後、あいさつをした1着の選手に激励の声が飛んだ。だが、1万5千人収容の観客席には1千人弱。まばらな拍手がドームに響いた。
年間入場者数は20年前の3分の1ほど(約7万6千人)。それでも昨年度は全国43カ所の競輪場のうち、最多の売り上げ(272億円)を記録した。
低迷していた売り上げは2010年度に底を打ち、回復に転じた。きっかけは、11年1月から「ミッドナイト競輪」を全国で初めて開催したことだ。午後9時~11時半に無観客でレースを行う。車券はインターネットだけで発売する。
観客席の清掃や警備、発売や払い戻しの係員が要らず、経費削減につながった。レースは通常9車立てだが、7車立てにして当たりやすくした。ドーム競輪場のため、周囲への騒音の心配もない。
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朝日新聞社会部
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