西日本鉄道は10月に西鉄福岡(天神)―大牟田間で観光列車「水都(すいと)」の運行を始める。沿線の観光地である柳川をイメージした配色で内外装を彩る。「明治日本の産業革命遺産」の構成施設が多い大牟田地域に通じる同区間では、世界文化遺産への登録を記念したラッピング車両もこのほど運行開始。注目を集められる車両を続けて投入し、沿線への誘客促進につなげる。
水都は既存の特急車両を約3600万円かけて改装し、9月下旬をメドに完成させる方針。特急ダイヤを一部置き換える形で、10月4日から原則毎日運行する。平日3往復、休日6往復を予定。通常料金で乗車できる。
6両編成の車両は「柳川の四季」をテーマとしたラッピングを施す。柳川の物産の展示・販売コーナーを設け、外国人観光客向けパンフレットも提供する。西鉄の観光列車としては西鉄福岡(天神)―太宰府間に昨年投入した「旅人(たびと)」に続く第2弾。
世界遺産記念の車両は7月末から来年8月末までの期間限定で運行を始めた。三池炭鉱宮原坑(大牟田市)などをデザインしたマークを扉の脇にあしらった。西鉄と同様に沿線に世界遺産の構成施設のある子会社の筑豊電気鉄道(福岡県中間市)と共同で、記念乗車券の販売も開始した。
西鉄はこの8月の週末には、大牟田駅と三池港エリアを結ぶ無料バスも運行。世界遺産登録を機に、乗客の掘り起こしを加速する考えだ。
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