鋼鉄のように硬いガラス。日本の研究者が、そんな常識外れのガラスを発明しました。
Japanese Researchers Make Glass That’s Nearly Unbreakable
このガラスが大量生産できるようになれば、窓ガラスの新時代が到来します。そしてタブレットや PC、スマートフォンのスクリーンなどにも応用できるでしょう。今月初め、
東京大学生産技術研究所の研究チームによる、このガラスの論文が Nature グループの学術雑誌「
Scientific Reports」に掲載されました。誰でも論文をダウンロードできますので、興味のある方はリンク先へどうぞ。
「五年以内にこの技術を商業化しようと考えています。」東京大学生産技術研究所 物質・環境系部門
井上研究室の
増野敦信 助教は、取材に対しこう答えています。
硬さの秘密
この超硬ガラスには秘密の材料があります。アルミニウム酸化物。通称「アルミナ」と呼ばれる物質です。アルミニウム酸化物(Al2O3)とタンタル酸化物(Ta2O5)を混ぜ合わせると、とても丈夫なガラスを生成する事が出来るようになったのです(リンク先はAl2O3と二酸化ケイ素(SiO2)となっていますが、論文ではTa2O5です)。
問題点と解決策
問題は、過去に大量のアルミナを扱おうとすると、コンテナーに触れるとすぐに結晶化してしまうという点でした。そこで、東大の研究チームはコンテナーを使わない合成法を編み出しました。固体のコンテナーではなく、ガスを使うことにしたのです。そしてその結果、アルミナ含有率50%を達成し、弾性率は鋼鉄にも匹敵する値を示しました。
様々なものに応用できると考えられます。ガスを使って作られたこの超硬ガラスはとても薄く、軽く、そして光学的性質も素晴らしいのです。
(追記)iPhone9のタッチパネルに採用される…かもしれない?
これはまだ噂の段階ですが、「5年以内に商業化を目指す」という発言から、もし五年後に商業化されればiPhone9のタッチパネルに採用されるんじゃないか…
という噂というか期待が一部で高まっているようです。もし本当に採用されたら快挙ですね。