このブログは,多くの受験生の方が司法書士試験に合格するために開設しました。
    【勝者現ル】仮処分の登記に後れる登記の抹消に関する問題【解答編】
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     詳しくは,この記事をお読みください。



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     こんばんは。

     ようやく仕事も落ち着きつつあり(微妙な表現),書きたかったことを大放出していくので,早速ですが,【解答編】です。

     我ながら,良問だと思うので,以下の記事を読む前に,必ず,【問題編】を読んで,問題を解いてください。

      【挑戦者求ム】仮処分の登記に後れる登記の抹消に関する問題【問題編】

      仮処分の登記に後れる登記の抹消に関する問題  
    【重要】 下に書いているとおり,問題に一部誤植があったため,修正した問題を改めてアップロードしています。
      
     では,設問ごとに検討していきましょう。




    ア 甲区5番の所有権の移転の登記


     甲区5番?

     …。

     ごめんなさい。

     これ,甲区「」番の誤記です!

     今一度,甲区「」番として,ご検討ください。
    【重要】 現在は,問題文が修正されたものがアップロードされています。
     

     はい,仮処分の登記に後れる売買を原因とする所有権の移転の登記ですから,乙は,甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に,抹消を申請しなければなりません

     択一式対策講座【理論編】不動産登記法の受講生の皆さんは,仮処分の登記に後れる所有権の移転の登記の登記原因が「売買」であることを確認できたか,換言すれば,時効取得や相続でないことを確認できたかをご確認ください。




    イ 乙区1番付記1号の根抵当権の変更の登記

     実は,この設問が一番悩ましいと僕は考えていました。

     まさか,以下のような思考をしていませんよね?

     
     乙区1番付記1号の根抵当権の極度額の増額変更の登記は,仮処分の登記に後れてされている。
     そして,極度額の増額変更の登記は,新たな根抵当権の設定の登記と同視できるため,乙は,抹消を申請しなければならない。


     この思考,間違っています。

     根抵当権の極度額を増額する場合には,「利害関係を有する者」の承諾を得なければならないところ(民法398条の5),極度額を増額する根抵当権に後れる仮処分の登記の登記名義人は,この「利害関係を有する者」に該当します。

     つまり,Aの根抵当権の極度額の増額について,仮処分債権者乙は,既に承諾済みってこと。

     したがって,乙は,甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に,抹消を申請することができません




    ウ 乙区1番付記2号の根抵当権の変更の登記

     この設問は,未出の重要先例を組み込んだものです。

     根抵当権の移転の登記及び根抵当権の債権の範囲の変更の登記が所有権の処分禁止の登記にされている場合であっても,その根抵当権の設定の登記がその仮処分の登記にされているときは,仮処分権利者は,単独で,所有権の移転の登記の申請と同時に当該根抵当権の移転の登記及び債権の範囲の変更の登記の抹消を申請することはできない(平9.1.29民三150号)。



     この先例により,乙は,甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に,抹消を申請することができません




    エ 乙区2番の抵当権の設定の登記

     乙区2番の抵当権の設定の登記は,仮処分の登記に後れてされたものです。

     しかし,後で解説する乙区3番の抵当権の設定の登記と異なり,抹消される甲区3番の所有権の登記に依存しているわけではありません。

     そのため,このような抵当権については,仮処分債権者が引き受けることができるとされています(平2.11.8民三5000号)。

     そうすると,乙は,甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に,抹消を申請しなければならないわけではなく,あくまで抹消を申請することが「できる」にとどまります。

     なお,この知識は,平成26年度午後の部第24問エで出題済みです。

    26-24.png




    オ 乙区3番の抵当権の設定の登記

     乙区3番の抵当権の設定の登記は,抹消される甲区3番の所有権の登記に依存しています。

     したがって,乙は,甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に,抹消を申請しなければなりません






     以上により,乙が甲を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請すると同時に抹消を申請しなければならない登記は,アとオの2個なので,正解はです。

     
     では,また。


     そうそう,記述式対策講座・不動産登記法【実践編】で出題する論点別記述式問題の新作問題をブログで公開しようかなと思っているのですが,いかがでしょう?

     あと,登記記録の記録からの論点喚起(詳しくは,こちらの記事でご確認ください。)については,公開に向けて作業中です。
     

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