ちゅぷ、ちゅぷと水音がする。

ようやく陽介から唇を解放された朋也は、改めて自分の状況を見て知ることとなった。

耳元に吹きかかる熱い吐息。

陽介が耳朶を舐め、しゃぶっている、合間に首筋に何度もキスを落とす。

片手で弄られている胸元の、もう片方の胸をクマの手が擦り、反対側の肩に唇が吸い付いていた。

空いている手は朋也の脇腹を撫で続けている。

下肢はギリギリ下着一枚残っていた。

僅かに反応しかけている自分の愚息が情けない、こんな状況だというのに。

(感じてるなんて俺は変態か?)

乱れた呼吸を繰り返しながら、朋也は「あぁ」と呟いていた。

その、露にされている両足の、片方を完二が抱え込んでいる。

膝裏に舌を這わせ、太腿に口付けをし、足の指を含んで舐める。

汚いぞ、と言おうとした。

唇はクマによって塞がれてしまった。

舌がネロリと口腔内に這いこんでくる。

「んむッ、ふ、ううッ」

胸元をヌルついた感触が擦り上げた。

ペロペロ、チャプチャプと舐られている。

クマ越しにどうにか確認できた、それは、陽介がしているようだった。

「んふッ、んッ、むぅッ、んむぅッ―――ふあッ」

くちゅ、と音がして、引き剥がされたクマの唇と舌から、朋也の口元に掛けて、銀糸が伝う。

「センセイの唇って、柔らかいクマねー」

ウットリ緩んだ表情で見詰めるクマに、ぼうっとしながら視線を返していたら、体の中央に何かが触れた。

「っつ!?」

ビクリと震える間もなく、下着の内側に手が這いこんでくる。

「や、やめっ」

慌てて止めようと見ると、完二が取り出した朋也自身を赤い顔でしげしげと眺めていた。

「こ、これが、先輩の」

「やめろッ」

急いで伸ばしかけた腕をクマが捕える。

体を陽介に抑えられた。

両側から二人に拘束される格好で、朋也は眼下の光景を見せ付けられることとなった。

「や、やめろ、やめろよッ」

「先輩」

完二の手が、スルリ、と、朋也自身を撫でる。

ひうっと声が漏れて、朋也は体をビクンと痙攣させた。

「や、ヤダッ」

腰を引こうとするも、それは完二が許してくれない。

片方の腕で朋也の腰を引き寄せ、もう片方の手で局部を間近に見詰めながらユルユルと扱き始めた。

「嫌ッ、やッ、やああッ」

声を上げて暴れる朋也を、クマと陽介が押さえつける。

「ほら見てろよ相棒、すっげエロいぜ」

「ホントクマ、センセーのココ、ビンビンのトロトロクマ」

「嫌だあッ」

首を振って拒む朋也の、体は意志に関係なく、完二の与える快楽に敏感に反応している。

既に複数回繰り返された口付けで体の奥の方から火照り始めていたからだろう、快感の伝わる速度が早い。

完二は荒い呼吸を繰り返しながら、先走りの体液を滲ませる朋也の局部を無心に扱いていた。

そのうち薄い唇が開かれて、先端をペロリと舐られる。

朋也の全身がビクリと跳ねた。

「やッ」

完二の口が、朋也の局部を含む。

「やめろ完二、ふざけ、んなっ」

くぷ、くぷ、ぺろぺろ。

「あああッ」

左右からも荒い息遣いが聞え続けていた。

どうやら、完二の行為と反応している朋也の姿に、陽介とクマも催している様子だった。

あいぼぉ、と耳元に囁かれ、耳朶をネロリと舐めると、唇が首筋に押し付けられてくる。

クマが肩口にキスを繰り返して、朋也の胸元に舌を絡めてきた。

そのまま吸い付いて、ちゅぱ、ちゅぱと唇で愛撫を施される。

「あッ、ああッ、あああ!!」

目を閉じて肩で息を繰り返しつつ、朋也は頭の中が徐々に白く染まり始めていた。

(この状況)

本当に、いったいどういうことなのだろう。

さっきまで楽しくクリスマスパーティーに興じていたじゃないか、男ばかりで空しいことこの上ないけれど、それでもお互い気遣いなく快適に過ごしていたじゃないか。

(そういや、ケーキ食べかけだったな)

股間でじゅぱじゅぱと音がする、腹の下辺りに快楽が蟠っている。

(明日クリスマスか、今夜は雪が降ってるのかな)

三人が遊びに来たときには降っていなかった。

屋内はヒーターの熱で温められて、朋也は殆ど全裸だというのに、あまり寒さを感じていない。

胸の突起を弄られている。

繰り返し触れてくる唇が、再び朋也の唇を塞いだ。

なんだかもう限界だ、そろそろあふれ出してきてしまう。

(ああ、もうッ)

「んむ、ふッ、ふッ、むーッ!?」

びくんッ。

びく、びくッ。

チリチリ、ちりんッ。

腰が浮いて、体が震える。

吐き出された精を完二が残らず飲み干していく。

その合間も陽介に深く口付けられて、射精が終わった後のひくついている局部を、クマと完二が二人で丁寧に舐っていた。

ようやく解放されて、ぼうっとしている朋也を覗き込んで、バカトリオがなんだか幸せそうに茹った顔をしている。

「センセー、すっごくいい顔してるクマ」

「ああ、マジ、超絶可愛い」

「先輩、良かったッスか?」

朋也は、いつの間にか自由になっていた手を伸ばし、とりあえず一番近くにあったクマの頭を殴りつけておいた。

「あいたッ」

「ざっ、けん、な!」

「ははッ、なんだよ相棒、まだ元気じゃん、大丈夫、本番はこれからだぜ」

頬に陽介の手が触れて、額に、音を立ててキス。

「先輩」

陽介が避けた脇から、完二に唇を重ねられる。

仄かに漂う生臭い香りと、舌と一緒に紛れ込んでくる苦味を伴う味に、朋也は顔を顰めていた。

(不味い)

陽介にもいつも注意するのだが、口で奉仕した後のキスは正直勘弁して欲しい。

夢中でキスを続ける完二の向こう側で、クマが「センセー、まだここヌルヌルしてるクマね」と朋也の局部に触れていた。

「そろそろ後ろ慣らすぞ、さっきお前がいっぱい出したのあるしな」

「ジュータン汚れちゃったクマね」

「後で掃除すりゃいいだろ」

くにゅ、と、何かが後ろの穴に入り込んでくる。

「んんっ」と体を震わせた朋也を抱きしめて、完二がまだ熱烈なキスを続けている。

「完二ズルイー」

クマの声が聞こえて、腕が掴まれた。

「センセ、クマのこれ、触って触って〜」

手に何かを握らされる。

「あうッ」

そのまま掌でシュッシュと抜かれ始めた。

陽介の「お前もうちょいガマンってもの覚えろよ」と呆れた調子で掛ける声が聞こえる。

「センセイの手、スベスベで気持ちイイクマ、クマ、手だけでイッちゃいそう」

「やっすいなお前、まあでも、ホントに良さそうだな、よし、俺もお願いしちゃおっかな?」

空いているほうの手にも何か掴まされる。

促されるままに、朋也は熱く硬く膨張した竿状の物をそれぞれの手に持たされ、両手で擦らされる。

「うくッ、マジでいいな、これ、黒沢、ちょい手加減しろよっ」

「センセー、あんまり強くしたらクマ出ちゃうクマ!」

(何がだ、バカッ)

臀部を指で解されつつ、朋也はキュッと目を閉じ耐え続けていた。

相変わらずクマが朋也の半立ちの局部をヌルヌルと弄り続けている。

また―――下腹の方に快楽が溜まりだしていた。

「しっかし、なかなか馴れねえな―――んー、よし、完二、もっとキスしてやれ」

「んっ!?んむむ、んんーッ」

顔を押さえつけられて、それこそ、窒息させられるんじゃないかと思うくらい、深く、深く口付けられる。

完二の舌が口腔内に深く入り込んできて、舌を絡めとり、歯の裏を舐め、喉の奥のほうまで触れるものだから、朋也は僅かにえづいてしまった。

それでも、それすら無理やり口付けでなだめられてしまう。

口の端から零れ落ちていく唾液が、自分のものなのか、完二のものなのか、既によく分からない。

激しい口付けは他の部分への意識を疎かにさせた。

朋也にキュウッと握られて、陽介とクマがアウッと小さく悲鳴を漏らしていた。

「せ、センセ、それはダメクマ、ダメクマよッ」

「あいぼ、ちょっ、まっ、もういいから!それよりこっちだ、もう、そろそろ―――」

陽介の指三本飲み込んだ朋也の下肢はすっかり緩み、ヒクついている。

「最初、俺ので慣らすから」

(さ、いしょ?)

「慣れてるしその方がいいよな?よし、挿れるぞ」

ぐッ。

完二から唇の洗礼を受け続けていた朋也は、閉じていた両目をハッと見開いていた。

 

 

 

相変わらずエロとかって長いよね…3人掛りは初めてなので実は案外苦労してます。