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大阪知事選:現新3人が届け出 「維新改革」の是非争点に

毎日新聞 2015年11月05日 10時40分(最終更新 11月05日 12時19分)

大阪府知事選が告示され、第一声を上げる松井一郎氏(左)と栗原貴子氏
大阪府知事選が告示され、第一声を上げる松井一郎氏(左)と栗原貴子氏

 任期満了に伴う大阪府知事選は5日告示され、現職と新人の計3人が立候補を届け出た。自民党が推薦する無所属新人の前府議、栗原貴子氏(53)と、地域政党「大阪維新の会」幹事長で現職の松井一郎氏(51)の事実上の一騎打ちとなる。5月の「大阪都構想」の住民投票に続き、維新と非維新勢力が対決する構図になり、大阪維新代表の橋下徹大阪市長と松井氏が進めた「維新改革」の是非などが争点になる。8日告示の大阪市長選とともに22日の投開票に向け、ダブル選が始まった。【小山由宇、松井聡】

 他に立候補を届け出たのは無所属で元府立高教諭の美馬幸則氏(65)。栗原氏は届け出によって府議を自動失職した。

 栗原氏は「維新政治による混乱から決別し、まっとうな大阪を取り戻す」と府政の転換を目指し、松井氏は現職として4年間取り組んだ行財政改革などの実績を強調し、継続を訴える。

 府と大阪市の連携のあり方について、栗原氏は住民投票後に設置された「大阪戦略調整会議」の活用を掲げ、「広域行政の課題は話し合いで解決できる」と主張。松井氏は二重行政の解消には都構想が必要だとし、公約に「新たな設計図作り」を盛り込んだ。

 成長戦略について、栗原氏は「政権与党の一員として国とのパイプを生かす」と強調し、リニア中央新幹線の大阪早期開業や中央省庁の大阪移転に注力する考えだ。松井氏は「府市一体で進めることが最重要」とし、大阪の副首都化や国の特区制度を活用した企業誘致などを挙げる。このほか教育では、入試制度のあり方や公募校長制度などが争点になる。

 美馬氏は府立大の授業料無償化などを訴えている。

 一方、橋下、松井両氏は8月に維新の党を離党し、今月2日に大阪維新の会を母体にした国政新党「おおさか維新の会」の設立を総務省に届け出たばかり。ダブル選の結果が国政での勢いにも影響を及ぼすとみられる。栗原氏ら非維新側は維新の党の分裂騒動について「泥仕合」と冷ややかに見る。

 ダブル選になるのは、橋下氏が大阪府知事を辞職して市長選にくら替え出馬した2011年から2回連続。市長選には政界引退を表明した橋下氏の後継として大阪維新公認の吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)、自民推薦の柳本顕(あきら)前市議(41)らが出馬する予定で、知事選と同じ構図になる見通し。大阪維新が掲げた都構想への再挑戦の是非などが争点になる。

 ダブル選で民主府連や共産は栗原、柳本両氏を自主支援する。共産は大阪府知事選で56年ぶりに独自候補の擁立・推薦を見送った。公明は自主投票を決めた。

 立候補者次の通り。(届け出順)

栗原 貴子(くりはら・たかこ)53[元]府議無新=[自]

松井 一郎(まつい・いちろう)51党幹事長(1)[大維]現

美馬 幸則(みま・ゆきのり)65[元]府立高教諭無新

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