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「黒い雨」被害めぐり64人が集団提訴 区域外の救済求める 広島地裁

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「黒い雨」被害めぐり64人が集団提訴 区域外の救済求める 広島地裁

 原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を浴びて被曝(ひばく)したにもかかわらず、被爆者援護法に基づく国の援護対象区域外だったことを理由に被爆者健康手帳などの交付申請を却下したのは違法として、広島県在住の70~90代の男女64人が4日、県と広島市に却下処分取り消しを求める集団訴訟を広島地裁に起こした。黒い雨被害の救済範囲をめぐる集団訴訟は初めてとみられる。

 訴状によると、原告らは援護対象区域外の広島市や同県安芸太田町などで黒い雨を浴びた。その後、放射線被曝のためにがんや脳梗塞を発症するなどし、区域内で黒い雨を浴びた人と同様、健康不安にさいなまれていると主張している。

 原告らは今年3月以降に被爆者健康手帳などの交付を県や市に申請したが、いずれも却下された。

 国は黒い雨が激しく降ったとされる広島市中心部を援護対象区域に指定。区域内で黒い雨を浴びた人には、被爆者と同様の健康診断を受けることができる第1種健康診断受診者証を交付。被曝が原因とみられるがんなどを発症すれば、被爆者健康手帳に切り替えて医療費補助などを行っている。

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