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【戦後70年】硫黄島沖で戦死した特攻隊員を偲ぶ 東京・小金井市の「戦時下の生活」展

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【戦後70年】
硫黄島沖で戦死した特攻隊員を偲ぶ 東京・小金井市の「戦時下の生活」展

東京・小金井市出身の特攻隊員、鈴木辰蔵さん

 「平和の尊さ」考えて

 東京都小金井市出身の特攻隊員で、硫黄島沖の米輸送艦に体当たりして戦死した鈴木辰蔵さん(当時19)にスポットを当てた企画展「戦時下の生活」が3日、同市緑町の浴恩館公園内にある小金井市文化財センターで始まった。12月20日まで。

 鈴木さんは大正14(1925)年8月生まれ。小金井尋常高等小学校(現小金井第一小)を卒業し、昭和16年12月に海軍飛行予科練習生(予科練)として岩国海軍航空隊(山口県)に入隊。20年2月21日、800キロ爆弾を抱えた3人乗り爆撃機で体当たりした。

 展示コーナーには遺族から借り受けた小学校の卒業写真や予科練、第601海軍航空隊時代の記念写真などを掲示。「父母様へ 謝恩」と書いた鉢巻、出撃3日前に「人情の常として、万感胸に迫るものがあります。が、我々は総てを忘れて、敵艦目がけて殺到するのみ」(原文通り)と記した遺書も初公開している。

 同センターの学芸員、多田哲さんは「一小の同級生にはご健在の方もいらっしゃるはず。卒業写真に一緒に写っている同級生が、特攻で亡くなってしまうのが戦争だということを、多くの方に分かっていただきたい」と話している。

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