また、ＴＰＰによって今後の世界経済のルールを主導していく考えを発信する方針だ。オバマ氏は交渉の大筋合意を受けた声明で「中国のような国に世界経済のルールを書かせることはできない」と強調している。日米が主導してきたＴＰＰを通じ、世界秩序を守っていく姿勢を示す。

　南シナ海での岩礁埋め立てや滑走路建設など一方的な現状変更を進める中国を念頭に、経済交流の活性化やシーレーン（海上交通路）の共有が安全保障上の連携を進め、地域の安定につながることなども協議する見通しだ。

　首相はＴＰＰをテコに欧州連合（ＥＵ）との経済連携協定（ＥＰＡ）や東アジア地域包括的経済連携（ＲＣＥＰ）の交渉加速化を図る方針で、特別首脳会合ではアジア太平洋自由貿易圏（ＦＴＡＡＰ）構想の議論も進めていく必要性を指摘する方針だ。