2015年11月8日12時41分
大阪市長選が8日、告示され、地域政党「大阪維新の会」の吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)、無所属の中川暢三(ちょうぞう)元北区長(59)、無所属で元会社員の高尾英尚(ひでひさ)氏(33)、自民党が推薦する柳本顕(あきら)前市議(41)の新顔4氏が立候補を届け出た。5日に告示された大阪府知事選とのダブル選で、いずれも22日に投開票される。
大阪維新代表の橋下徹市長は、5月に大阪市内で行われた住民投票で大阪都構想が廃案となったことを受け、来月18日の任期満了での政界引退を表明。都構想への再挑戦の是非や、橋下氏の市政運営の継承か、転換かなどが争点になる。
橋下氏の側近で、大阪維新市議団の政調会長を務めた吉村氏は、都構想への再挑戦を公約に掲げ、「大阪維新の改革を徹底的に実行し、さらに前に進めていく」と訴える。
中川氏は「無党派」として、「維新でも反維新でもない、第三の道を提案したい」と強調する。
高尾氏は「市民目線で政策を実現したい」と訴えている。
住民投票で都構想反対派の旗頭だった柳本氏は「対立から協調、破壊的な改革から創造的な改革へ変える」と市政の転換を主張。民主党府連が支援、共産党が「自主的支援」に回る。
■吉村洋文氏の第一声(大阪市北区の大阪駅前で)
自民、民主、共産が勝つためだけにまとまった。政策選挙ではなくなった。
維新は報酬の削減など自分たちに厳しい改革をやってきた。財源を生み出すために、増税も借金もしてはいけない。行政のムダをなくしていく。そして医療や福祉、教育を伸ばしていく。橋下市長がやってきた改革を乗り越えていく。
相手方は「敬老パス」の(乗車1回ごとの)50円負担をなくすという。だが、財源を答えられない。無責任なバラマキで子供たちにツケを回すわけにはいかない。行政がやるべきことは真に支援が必要な人へのサポート。災害時の独居高齢者の把握、特別養護老人ホームに入れるようにする。
大阪は地方都市に成り下がっている。特にリニアは名古屋までで止まってしまう。自民党は何をやってきたのか。まず、大阪府と大阪市が一体になって、大阪の成長を図っていく。
■中川暢三氏の第一声(大阪市北区の天神橋筋商店街で)
4年間、大阪都構想をめぐる対立と混乱が続いた。市民はもう対立にはうんざりしている。制度変更によって、変えられることなんてわずか。維新でも反維新でもない「第三の道」を提案したい。
大阪は西日本にとって太陽のような存在。大阪市には、常に最先端を走り、輝き続ける使命がある。きっちりと市役所をマネジメントできる経営手腕のある政治家を選ばないと、ますますダメになる。時代遅れの規制を緩和し、行政手続きを効率化する。
民間企業で20年間勤めて、資産活用もしてきた。(兵庫県)加西市長時代には行財政改革を進めた。大阪市でもできる。子供に将来のツケは回さない。減税によって、世界中から人と企業と投資を呼び込む。大阪を元気にしようじゃないか。それができるのは民間経験が豊かで、行政の経験がある私だけだ。
■柳本顕氏の第一声(大阪市北区の大阪駅前で)
5月の大阪都構想の住民投票は、「大阪市をなくさんといて」という市民の声で反対多数となった。三十数億円ものお金をかけたのに、6カ月もたたないうちにまた都構想を標榜(ひょうぼう)するなんて、あってはならない。大阪市が残る前提で、落ち着いた政策議論で大阪市を発展させよう。
橋下徹市長は破壊的な改革で、未来への投資がなかった。公募校長は不祥事ばかりで、効果の検証がまったくできていない。出産一時金カットや保育料値上げなども行われ、子どもに優しい政治と言えるのか。孤立化する大阪の中で、お母さん、お父さんを一人にさせない取り組みが必要だ。
大阪は民の力で発展してきた。上から目線で大阪市の発展はありえない。橋下市長が主役の市政から、市民一人ひとりが主役の市政に取り戻したい。対立から協調へ、新しい大阪のリーダーとして選んで下さい。
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