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 大阪府知事選が5日告示された。自民党推薦の無所属新顔で前府議の栗原貴子氏(53)と地域政党「大阪維新の会」公認で再選を目指す現職の松井一郎氏(51)、無所属新顔で元高校教諭の美馬幸則氏(65)の3人が立候補を届け出た。大阪維新が掲げる大阪都構想への再挑戦の是非が大きな争点となる。8日に告示される大阪市長選とのダブル選で、いずれも22日に投開票される。

 政令指定市の大阪市をなくし、東京23区のような特別区に再編する大阪都構想は、5月に大阪市内で行われた住民投票で反対が賛成を上回り、廃案となった。

 半年も経たずに選挙でその是非が争点に浮上した背景には、大阪維新と非維新勢力の激しい対立がある。府と大阪市、堺市の首長と議員で作る「大阪戦略調整会議」(大阪会議)は自民党が都構想の対案として提案。大阪維新も賛成して設けられた。だが運営ルールなどの対立で、実質的な議論を始められないでいる。

 大阪維新を率いる橋下徹大阪市長は大阪会議を「ポンコツ」と批判。8月、ダブル選で都構想再挑戦の方針を決めた。松井氏は「もう一度設計図をつくらせてほしい」と主張する。

 一方、自民党は大阪会議活用を訴え、栗原氏も「ブレーキを踏んでいる人たちがいる」と指摘する。住民投票で自民と連携した民主党府連が支援、共産党も「自主的支援」に回る。

 都構想の推進は大阪維新の「2勝」が条件。ダブル選の結果は、12月での政界引退を表明した橋下氏が結成した国政新党「おおさか維新の会」の求心力や、来夏の参院選の構図にも影響しそうだ。美馬氏は、大学授業料や医療費の無償化による格差是正を訴える。

■栗原貴子氏の第一声 「対立ではなく協調」

 大阪の成長のため、暮らしを良くするために何が必要なのかが問われる選挙。まっとうな大阪府を取り戻すためには、仕組みでなく中身です。役所の仕組みを変えれば大阪が良くなるという制度論には、11月22日で終止符を打たなければなりません。

 疲弊しきっている大阪にしっかりとお金を回す。財源はおまかせください。公認会計士なので、数字を見るのは誰より強い。大阪の会社にしっかりともうけてもらい、税収をアップさせ、生まれる財源は子育て、教育、福祉に使っていかなければなりません。橋下、松井府政の8年間でやってきた色々な無駄遣いにメスを入れる。10キロ以上離れた二重庁舎を解消する。

 対立ではなく協調。ケンカばっかりしていてはだめ。しっかり協調して東西二極の一極を担う「大(だい)・大阪」を作る。私たちの大阪を必ず取り戻しましょう。

■松井一郎氏の第一声 「昔の大阪に戻さぬ」

 大阪維新の会、まあ嫌われたもんですよ。なぜか。役所のお金の使い方、行財政改革をやったからです。府議会は定数を21削減し、報酬も3割カット。役所の体質をメタボから筋肉質に変えました。大阪の自民党、共産党、民主党はそれが一番嫌なんですよ。橋下徹市長と松井、維新を追い出して元に戻そうと彼らはがっちり手を組んでいる。

 僕と橋下市長が就任する4年前までは、大阪府と大阪市の成長戦略すら一元化できていませんでした。この4年間で一つにまとめ、成果が出ている。すごい数の外国人観光客が来て、大阪のホテル稼働率も高い。

 これだけの改革をやったのは大阪維新だけ。東京一極集中じゃだめで、改革を続けて二極を作ることができる。大阪で始まった改革をあと4年、続けていきましょう。昔の不幸な大阪に戻さないために、ここで確実に固めさせて下さい。