[PR]

 核兵器廃絶を目指して、世界約40カ国約200人の科学者が集まり議論を交わした第61回パグウォッシュ会議世界大会は5日、長崎市で「長崎を最後の被爆地に」と訴える「長崎宣言」を発表し、閉会した。

 宣言では「核兵器の脅威は今も増大し、核軍縮は行き詰まっている」と核をめぐる現状への危機感を表明。核保有国に対して、高性能な核兵器を開発する近代化を中止し、核兵器の削減にとどまらず、廃絶を確約するよう求めた。また、「核の傘」に依存する非核保有国に向けては、地域内での核保有や配備を禁じる「非核兵器地帯」への参加など安全保障政策を転換するよう呼びかけた。

 核不拡散条約(NPT)再検討会議といった国際的な協議の場については「大切だが、限界も明らかだ」と指摘。国々と市民社会、国際組織が連携して核兵器の法的禁止を目指す「全世界的イニシアチブ」が核の脅威除去に向けて重要な役割を果たすとした。