ニューヨーク=中井大助、モービル〈アラバマ州〉=佐藤武嗣
2015年11月8日13時07分
「ホワイトハウスにいるのはサタン(悪魔)だ」
「第三世界からの移民を、白人の都市に送り込んでいる」
米国のラジオ番組「サベージ・ネーション」の司会者、マイケル・サベージ氏は、毎日のようにマイクに向かってこう叫ぶ。1日に500万人前後が耳を傾ける人気番組だ。だが極端に排他主義的な言動で知られ、「憎悪を生み出している人物」として英国から入国禁止処分を受けた。
そんなサベージ氏が、ナチスドイツと対決した元英首相になぞらえて「現代のウィンストン・チャーチル」とたたえるのが、不動産王のドナルド・トランプ氏(69)だ。10月6日には番組に招き、「米国人に誇りを持たせてくれる」と語りかけ、意気投合した。
トランプ氏は政治経験のない「アウトサイダー」だが、むしろそのことを売り物にしている。共和党指名獲得を目指し、6月に出馬表明。不法入国したメキシコ人は「麻薬と犯罪を持ち込む」と決めつけるなどの発言に非難の声が上がったが、過激な言動を続けると逆に支持率は上昇。それまで首位だったジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)を追い抜き、世論調査で上位を維持する。
8月、猛暑の米南部アラバマ州。若い頃は中小企業で秘書をしていたというヘレン・カーティスさん(82)は集会の1時間以上前から「TRUMP」バッジを胸につけ、息子に付き添われて長蛇の列に並んでいた。
支持の理由を聞いた。「だって、いっぱい移民が入ってきて気持ち悪い。我々の生活が脅かされる。トランプは本音で語ってくれるから私は好きなの」
集会でトランプ氏は「先週カリフォルニアで66歳の女性が不法移民によって強姦(ごうかん)され、拷問され、殺された。我々は行動を起こさないといけない」と口をとがらせて訴え、白人が多い会場から歓声が湧くと、得意げな表情で見渡した。会場には「サイレント・マジョリティー(声なき声)はトランプと共に立つ」とのプラカードが波打っていた。
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朝日新聞国際報道部
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