ワシントン=小林哲
2015年11月8日10時12分
オバマ米大統領は6日、カナダ産の原油をテキサス州に運ぶパイプライン「キーストーンXL」建設計画を却下する方針を表明した。経済成長と環境保護をめぐる与野党対立の象徴となっていた施設で、環境保護団体は歓迎する一方、野党・共和党は反発を強めている。オバマ氏の後任を選ぶ大統領選の争点にも浮上しそうだ。
オバマ氏は6日、ホワイトハウスでバイデン副大統領、ケリー国務長官とともに演台に立った。パイプラインを建設しても、①長期的な経済貢献は期待できない②石油価格を下げる効果もない③エネルギー安全保障にもつながらない、などと判断の理由を述べた。また、今月末にパリで開かれる国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に自ら出席する意向を表明。「計画を承認すれば、世界のリーダーの地位を失いかねない」と述べ、国際合意に向けて主導的な役割を果たすため、「先例を示す」と強調した。
パイプライン計画は、カナダのエネルギー会社「トランスカナダ」が2008年に申請。野党・共和党は「雇用増につながる」などと支持に回った。カナダ・アルバータ州から米中部ネブラスカ州まで約1900キロを新たに結び、既存の施設に連結してテキサス州の精製施設まで1日あたり最大約80万バレルの原油を運ぶ。総事業費は80億ドル(約9700億円)。建設工事などで4万人以上の雇用が増えるとの推計もあった。
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