入隊浪人の発生原因は、ベビーブーム世代(1955-63年生まれ)の親から生まれた現在入隊年齢(91-95年生まれ)の男性が、ほかの年代に生まれた男性よりも多いためだ。昨年20歳になった男性は38万人で、過去最大だった。また、青年体感失業率が10.8%に達するほど就職が難しいため、「先に兵役を済ませよう」と考える傾向も一因となっている。そうしたこともあり、今年1月から9月までで10万4000人の入隊枠に対し80万2000人が志願する事態となり、入隊競争率は7.7倍にはね上がった。
このため、国防部は今年現役兵入隊対象となっている中学・高校中退者や中卒者を補充役に切り替え、肥満・低体重・高血圧・アトピー性皮膚炎・近視などの入隊基準を大幅に強化する対策を打ち出した。ところが、「学歴差別だ」「身体的条件を過度に強化するのは人権侵害だ」という声も巻き起こっている。セヌリ党の金正薫(キム・ジョンフン)政策委員会議長は「今回の党政協議で、高校中退者以下の補充役のうち志願者については軍が受け入れられるようにすることにした」と述べた。
国防部が入隊定員を急激に増やさないのは予算の都合があるからだ。入隊定員が増えると兵舎などの施設をさらに拡充しなければならない。政府関係者は「21年以降は20歳人口が30万人以下へと急減し始める。遊休施設が発生する状況を考慮すると、入隊者を年間1万人以上増やすのは難しい状況だ」と語った。政府はすでに今年の入隊定員も9300人増やしている。
この日の党政協議で発表した「2万人増員」措置が施行されても、来年も3万3000人は入隊の機会がない見通しだ。また、追加入隊者2万人については施設を拡張せずに現在の収容スペースで対応する予定で、兵士たちの生活環境の悪化も懸念される。