昔まだ男優をやる前、学生の頃の話です、、大学になじめなかった自分は日韓ワールドカップのバイトを毎日して、貯めたお金でバックパッカーをしていました。

南極大陸以外は全大陸行きました(南極大陸も行きたかったんですけど、アルゼンチンのウシュアイアという最南端の都市から当時南極大陸に上陸するのに一週間ぐらい豪華なクルーズをして南極大陸に入れる人数も1日100人とか規定が厳しかったんです、、トータルで200万~300万ぐらいしたので断念しました(p q)南極大陸なんて別に行きたくなかったし<だって何もないじゃないですか(笑)>)
その中で2週間ぐらいカルカッタのマザーハウスというマザーテレサが作った場所に滞在しました

確か4つのコースがありました「死を待つ人の家(もう医者から見放され死を待つだけの人がいるそうです)」
「平和の村(ハンセン病の方々が住む村です、、昔は医療技術の未熟さから伝染病ではないのに伝染病扱いされて、全国各地にハンセン病の方々の村があります、、僕の家のすぐ近くの清瀬という場所にもハンセン病患者のための隔離された村があります。そこの資料館には涙なしでは出てこれません)」

「聖なる子供の家(いわゆる孤児院みたいなものです、、今、綾野剛さん主演で話題の「コウノドリ」というドラマがありますが、実際に赤ちゃんボストとして「コウノドリのゆりかご」という子供を育てられないのに生んでしまった方が利用するらしい、所謂赤ちゃんポストがあるのですが、ドイツが発祥でドイツには100個以上の赤ちゃんポスト=ベビークラッペ、があるらしいです。日本では現在120人ぐらい、ドイツでは年間40人ほどの赤ちゃんがベビークラッペに入っているようです)」

そして僕が2週間担当した施設は「先天的な奇形児の家」でした。本当にどこに目があって口があって手があって足があるのかサッパリわからない人間が存在するのです、、僕にとってはあまりにも衝撃的でしたが、修道士の方々に「ここから彼は食物を摂取して、ここでトランプの札を持つのです」等色々習ってから一緒にトランプしたり
ンプしたり、オモチャの車に乗せて外の世界を一緒に散歩したりして、なんだかとても充実した2週間でした。

日本人では感動しないような事が嬉しくて嬉しくてたまらなくてイチイチ涙を流している彼ら彼女らを見て、なんて言葉をかけていいかもわからないですが、ハートで僕たちは繋がってるんだなっていう不思議な体験をさせていただきました

そのハウスの修道士の方が言っていたのは「人間にとって一番悲しい事は障害でも病気でもなく、自分が誰にも望まれない事なんだよ」っていう言葉が今でも耳から離れません、、本当に貴重な体験させていただきました。

自分がなんて恵まれた環境にいるのか、そして、誰にも望まれてない人間なんか、この世界に一人もいないという事も知りました。彼らと遊んでいるとなぜか僕の心が今までに体験した事もないぐらいに癒されるのです。
彼らはオモチャの車に乗ってカルカッタのヒンドゥー教徒とイスラム教徒が入り交じったカオスとはこの事ですねというような、凄まじく危険な雑踏をどうしようもなくワクワクドキドキ楽しくて仕方ない声をキャーキャーと出して、この瞬間にこの世界で一番幸せなのは自分なんだと疑いようもないような声を出して、どこにあるかもわからない口で、はしゃぎまくるのです

そんな光景を見て涙が出てくるのは僕の方で、、彼らとの別れの日に【世界で一番に幸せになってください】と心の奥から思って別れました。皆朧気な声で「リュータ、ダンニャバード」「リュータ、ダンニャバード」って言ってくれて、この冷酷極まりない僕がこらえきれずに泣いてしまいました。

日本でも働いていると正直、難敵はいっぱいいます、、でも、聖書の言葉ですが、『汝、敵を愛せよ』という言葉が浮かんできます。

世界中の全ての人が幸せになって欲しい、、そんな風に思えるようになったのはカルカッタでの経験が大きかった。

♪世界中が幸せになれ♪

そして僕の事を心底憎んでいるあなたにも、仲よしなあなたにも、見知らぬあなたにも、世界で一番に幸せになって欲しい、、本当に今はそう思います。マザーハウス恐るべしですね