対人賠償保険と対物賠償保険は無制限にしておくべき?

【質問】現在、対人賠償は無制限なのですが、対物賠償は2000万円にしています。両方無制限にしたほうがいいと友人に言われたのですが、やはりそうなのでしょうか。

【答え】対人賠償と対物賠償は無制限をおすすめします。

自動車保険の補償にもいろいろありますが、対人賠償と対物賠償というのは、共に自動車事故をした際に、その相手側に対しての保険です。

つまり、対人賠償は相手側の人に対するケガや死亡についての補償であり、対物賠償は相手側の物の対しての補償です。

そして、この対人賠償と対物賠償ですが、もちろん保険金額の設定も上限額と下限額の範囲内であれば自由に選ぶことができ、それによって保険料も変化しますので、保険金額を下げている方もいるようなのですが、これら2つの補償に関しては、「無制限」にすることを強くおすすめしたいと思います。

というのも、これらは保険金額の設定を下げてみたところで、年間の保険料には思ったより影響が少ないのです。といいますか、ほとんど安くならないといってみても過言ではありません。

そして、実際に自動車事故を起こしてしまった場合ですが、こうしたときの賠償金額は、何億となるケースもじゅうぶんに考えられます。

人身事故による高額賠償判決例

認定総損害額 被害態様 被害者性別年齢 被害者職業
5億2,853万円 死亡 41歳・男性 眼科開業医
3億9,725万円 後遺障害 21歳・男性 大学生
3億9,510万円 後遺障害 20歳・男性 大学生
3億8,281万円 後遺障害 29歳・男性 会社員
3億7,886万円 後遺障害 23歳・男性 会社員
3億6,750万円 死亡 38歳・男性 開業医

物損事故による高額賠償判決例

認定総損害額 被害物件
2億6,135万円 呉服・洋服・毛皮などの積荷
1億3,580万円 パチンコ店
1億2,036万円 電車・線路・家屋
1億1,798万円 トレーラー
1億1,347万円 電車

これは人身事故と物損事故の過去の高額賠償事故の判例です。人身事故に関しては、他にも賠償金が億を超えるような事例はいくつも起こっています。

万が一、このような高額賠償となる事故をおこしてしまい、対人賠償や対物賠償を5,000万円などにしていた場合は、足りない金額を自分で払わなければなりません。

個人が自腹で、何千万や何億といった金額を支払う事態になってしまうと、もはや自分の人生を棒に振るようなものですよね。

よって、目先のごくわずかな保険料の節約にこだわらずに、この対人賠償と対物賠償については無制限での設定を強くおすすめしたいと思います。

無駄なく格安な自動車保険に加入するための絶対に押さえておきたい6つのポイント