定塚遼、青池学、小川詩織 諏訪和仁
2015年11月8日07時15分
北陸地方などで日本海の冬の味覚、ズワイガニの漁が6日解禁された。3月には北陸新幹線(長野―金沢間)が開通し、関西だけでなく首都圏などからもカニ目当ての観光客の視線が集まる。地元では、ブランド化したカニをPRするなど、「商機」の到来に意気込む。
■県ぐるみでPR 石川
ズワイガニ漁が解禁された翌日の7日朝、金沢市の観光名所「近江町市場」の鮮魚店では、取れたてのカニがずらり。「今年のカニも甘くておいしいよ!」。威勢の良い声が飛び交う中、観光客や地元の人々がカニを買い求めていた。ある店主は「今年は新幹線効果でいつもより2倍ほど客が多い」。初日の「ご祝儀相場」もあり、1匹1万円以上の値札もみられた。
石川県では、雄のズワイガニを「加能(かのう)ガニ」とのブランド名で売り出している。2006年、県漁業協同組合が県内外から募集し、約1千件の中から選んだ。「加賀から能登まで県全体でブランドを作る」という願いを込めている。
この約10年、イベントを県内で開催したり、東京では流通業者との商談会を開催したりとPRしてきた。当初1キロあたり2600~2700円だった平均単価は3千円を超えるように。「着実に認知度が上がっている」と県漁協の関係者。
近江町市場で魚介類を販売する「大口水産」の荒木優専務(55)は「明らかに観光客が増えている今年は、さらにアピールするチャンス」と期待を寄せる。
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朝日新聞社会部
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