上野満男
2015年11月7日16時48分
滋賀県長浜市沖の琵琶湖湖底にある長浜城遺跡で、江戸時代後期に地震で水没したとみられる建物の遺構が見つかった。県立大の琵琶湖水中考古学研究会(中川永〈ひさし〉代表)が4日発表した。水中遺跡で建物跡が確認されるのは異例という。
スキューバダイビングによる調査で、湖岸の西約100メートルの水深約1・8メートルの湖底で、立ったままの材木8本を確認。6本(直径約17~20センチ、高さ約46~66センチ)のうち、柱とみられる4本は南北1・8メートル、東西2・1メートルの間隔で並び、2本はひさし状の張り出し部分とみられる。周囲はこぶし大の石が直径約8メートルの範囲で、少なくとも厚さ30センチ以上敷かれていた。特異な構造から、鎮守社の可能性もあるという。
記録に残る当時の水位より低いため、大地震による地盤沈下と推定。柱の放射性炭素年代測定や文献上の大地震の記録から、1819(文政2)年に湖東地域を震源とした近江地震(マグニチュード7・2前後)の際のものとみられる。
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