【コラム】米中板挟みの韓国、キューバの悲劇に学べ

米西戦争で太平洋を掌握し大国となった米国
経済成長を続ける中国は米国に太平洋の分割を提案
政治はスペイン、経済は米国に依存したキューバ
どっちつかずで最貧国に転落
米中板挟みの韓国に警鐘

 大国の覇権が移動し、海を巡る戦争が激しく行われたのもそのためだ。海での戦争による最大の犠牲は第2次世界大戦当時、主に大西洋で起こった。6年間の戦争で3500隻以上の連合国艦船が、また780隻以上のドイツ潜水艦「Uボート」が海の藻屑となった。連合国は8万5000人、ドイツ軍は3万人が犠牲になった。この残酷な犠牲の末に、最終的に英国は大西洋の覇権を米国に譲った。

 普通に考えると海はどこの国も自由に使える空間のように見える。しかしかつては砂糖、その後は原油や自動車が大量に海を越えるようになると、海の価値は一変した。さらに海をとりまく長い歴史を振り返ると、歴史を変える決定的瞬間には合理的な思考や論理、さらには国際的規範などではなく、結局は力、パワーが正義となってきたことを目の当たりにすることができる。

 米西戦争当時、キューバはスペインの支配下にあったが、経済は米国に依存していた。たばこや砂糖など、キューバからの輸出の90%が米国向けで、キューバの輸入の40%は米国からのものだった。政治はスペイン、経済は米国に頼っていたのだ。米国と同盟を結びながら、経済的には中国への依存が高まる今の韓国とよく似た状況だった。

 キューバでは当時、様々な形の独立運動が行われていたが、どれも成功しなかった。国民は米国派とスペイン派に分裂し、小競り合いを繰り返して独立する力を養うことはできなかった。キューバはスペインから独立した後も、経済的には完全に米国の植民地だった。その後もクーデターや社会の混乱、イデオロギー対立が続き、100年の歳月が過ぎた今に至るまで、キューバは地球上で最も貧しい国の1つだ。強大国の間で自らの立ち位置を定めることができず、ふらふらするキューバの悲劇をわれわれは思い起こさないわけにはいかない。

宋煕永(ソン・ヒヨン)主筆
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