個人向け国債(変動10)は最強の無リスク資産…メリット・デメリットを確認しておこう!
・預貯金よりも安全で高金利(高利率)
・ペイオフ1000万円のような上限なし
・タンス預金のようにインフレでヤラれたりしない
・国債価格が下落しても債券価格は下がらない
・必要なときに必要な分だけ換金できる
・・こんな金融商品が「個人向け国債(変動10)」です。
リスク資産への投資は怖いだとか、既に十分な金融資産を持ってはいるものの、ペイオフ(金融機関破綻時の保証上限1000万円)を気にしていくつもの銀行に預金を分散しすぎて管理が困難になっている場合などには、「個人向け国債(変動10)」は、金融資産の「置き場」として有力な候補だと思います。
預貯金よりも有利で安全だなんて、「民業圧迫じゃないのか?」と言いたくもなりますが、利用できる個人投資家にとっては、ありがたい金融商品です。
そもそも国債とは、国家(政府)にお金を貸すと発行してもらえる債券(借用書のようなもの)です。定期的に利子を受け取る権利と満期時の返金が約束される有価証券ですね。
それを個人投資家向けに商品化したものが「個人向け国債」になります。
銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)、証券会社などで1万円から買い付け可能で、インターネットのみで売買を完結させることもできます。利子は半年ごとに年間2回もらえて、国債価格が変動しても「個人向け国債」の額面価格は変動しません。
「固定3」と「固定5」というタイプの商品は利率が固定され、「変動10」という商品は市場金利に連動します。金利が低下していく流れの時期であれば、固定利率タイプを買ったほうが有利になりますが、将来の金利予測は簡単ではないので、普通の人が余計な投資判断をせずに購入するなら、「個人向け国債(変動10)」の一択でしょう。
無リスク資産(安全資産)としては、最強の金融商品だと言えると思います。当然、私も利用しています。
→参考記事:無リスク資産に求める5つの要素とその中身
※「3」や「5」や「10」というのは、満期償還までの年数のことです。定期預金の預け入れ期間のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。
メリットは冒頭に列挙した5つのポイントがほぼすべてです。
国家(政府)が元本と利息の支払いを保証してくれるので、預貯金よりも安全でありながら、ほぼすべての銀行の定期預金以上に高利率で、しかもペイオフのように1銀行1000万円などの保証上限はありません。一つの金融機関を通じて何億円でも預けておけます(日本銀行で保管)。
さらに、世間でよく噂される「国債暴落=金利急上昇」の際も、額面価格は値下がりすることなく、受け取り利子だけを上昇させてくれるので(半年ごと)、タンス預金のようにインフレでヤラれる心配もほぼありません。インフレ対応もバッチリなのです。
そして、貯蓄型の保険商品のように全解約しないと換金できないという不自由さはなく、必要なときに必要な分だけ換金できます。
いまでは毎月発行されるので、ほぼいつでも買うことができる、といえるでしょう。また、これはオマケですが、購入時にキャッシュバック等のキャンペーンが用意されている金融機関が多いのもありがたいところです。
《追記》
相互リンク先の先輩ブロガーじゅん@さんが、ちょうど今月発行分のキャンペーン情報等をアップしています。事前の打ち合わせなしで、同日同時刻のコラボ記事のようになりました。私のようにダラダラ書かずに、要点を完結にまとめた見事なお記事を読みくだい!
→2015年11月個人向け国債発行条件が決定
「銀行預金よりも高金利」ではあるものの、やはり元本保証のある金融商品なので、リターンもたいしたことはありません。お金を「殖やすための置き場」というよりは、「守るための置き場」に近いと思います。
また、必要なときに必要な分だけ換金できるようになるには、購入後1年以上経過する必要があります(大規模な自然災害時や死亡時には、例外として1年を経過する必要なし)。
中途換金できるようになっても、手続き上、実際に現金を手にするまでは4~5日程度かかるので、すぐにおろせて、すぐに使えるわけではありません。途中換金に際しては、直近2回分の利子を(ペナルティとして)支払う(取られる)ことになります。
なので、日常生活ですぐに使うお金の置き場としては、あまり適していないでしょう。定期預金のように、しばらく使う予定のない大きなお金の預け先というようなイメージでしょうか。
それから、心理的な問題かもしれませんが、「結局、日本国債を買い支えるだけになってしまう」というのは事実です。個人向け国債を買うことは、「活きたお金の使い方」とは言えないかもしれません。
しかし、だからといって銀行に預けておいても、結局は銀行もそのお金の大半で国債を買うので、同じようなものです(いわゆる「預金バカ」ってヤツですね)。
それが納得できない場合は、リスク資産への投資を検討するしかありません。ちなみに私は、インデックス投資と呼ばれる投資をしています(参考記事→インデックス投資とは)。
もちろん、厳密に言えば、完全に「無リスク」な資産なんて存在しません。
この個人向け国債にしても、元本を保証している保証元、つまり財務省(日本政府)が本当に安全なのか、という疑問はあります。財政破綻する国だってありますから。
しかしながら、徴税権や新たな国債の発行権を持つ国家よりも強い保証元が他にあるとは考えにくい。万が一、その国家(政府)がダメになるようなときは、そもそもどこに預けておいても無事で済む可能性は極めて低いと考えるのが現実的でしょう。
非常事態をどこまで想定するのかという問題は、生きていくうえで目を背けてはならない大切なものですが、どこかに線引きは必要です。あまり過敏になりすぎると、お金の問題を飛び越えて、隕石落下を警戒することなどになり、普通に外出することすらできなくなってしまいます。
《参考関連記事→最悪の状況をどこまで想定するのか》
たまに、政府の財政破綻を前提として、国家に立ち向かうような投資を推奨する人もいますが、そのような主張をする人はまともに相手をしてはいけないと思います。まぁ、可能性がゼロというわけではないので、話を聞いて考えてみるくらいなら頭の体操になっていいとは思いますが、最後は自己責任でよろしく!ってなカンジです。
※個人向け国債よりは低利率ですが、預貯金以外の安全資産の置き場として優れているMRFとMMFについても、近いうちに簡単に説明記事を書いてみようと思っています。
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。
・ペイオフ1000万円のような上限なし
・タンス預金のようにインフレでヤラれたりしない
・国債価格が下落しても債券価格は下がらない
・必要なときに必要な分だけ換金できる
・・こんな金融商品が「個人向け国債(変動10)」です。
リスク資産への投資は怖いだとか、既に十分な金融資産を持ってはいるものの、ペイオフ(金融機関破綻時の保証上限1000万円)を気にしていくつもの銀行に預金を分散しすぎて管理が困難になっている場合などには、「個人向け国債(変動10)」は、金融資産の「置き場」として有力な候補だと思います。
預貯金よりも有利で安全だなんて、「民業圧迫じゃないのか?」と言いたくもなりますが、利用できる個人投資家にとっては、ありがたい金融商品です。
◎個人向け国債とは
そもそも国債とは、国家(政府)にお金を貸すと発行してもらえる債券(借用書のようなもの)です。定期的に利子を受け取る権利と満期時の返金が約束される有価証券ですね。
それを個人投資家向けに商品化したものが「個人向け国債」になります。
銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)、証券会社などで1万円から買い付け可能で、インターネットのみで売買を完結させることもできます。利子は半年ごとに年間2回もらえて、国債価格が変動しても「個人向け国債」の額面価格は変動しません。
「固定3」と「固定5」というタイプの商品は利率が固定され、「変動10」という商品は市場金利に連動します。金利が低下していく流れの時期であれば、固定利率タイプを買ったほうが有利になりますが、将来の金利予測は簡単ではないので、普通の人が余計な投資判断をせずに購入するなら、「個人向け国債(変動10)」の一択でしょう。
無リスク資産(安全資産)としては、最強の金融商品だと言えると思います。当然、私も利用しています。
→参考記事:無リスク資産に求める5つの要素とその中身
※「3」や「5」や「10」というのは、満期償還までの年数のことです。定期預金の預け入れ期間のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。
◎個人向け国債(変動10)のメリット
メリットは冒頭に列挙した5つのポイントがほぼすべてです。
国家(政府)が元本と利息の支払いを保証してくれるので、預貯金よりも安全でありながら、ほぼすべての銀行の定期預金以上に高利率で、しかもペイオフのように1銀行1000万円などの保証上限はありません。一つの金融機関を通じて何億円でも預けておけます(日本銀行で保管)。
さらに、世間でよく噂される「国債暴落=金利急上昇」の際も、額面価格は値下がりすることなく、受け取り利子だけを上昇させてくれるので(半年ごと)、タンス預金のようにインフレでヤラれる心配もほぼありません。インフレ対応もバッチリなのです。
そして、貯蓄型の保険商品のように全解約しないと換金できないという不自由さはなく、必要なときに必要な分だけ換金できます。
いまでは毎月発行されるので、ほぼいつでも買うことができる、といえるでしょう。また、これはオマケですが、購入時にキャッシュバック等のキャンペーンが用意されている金融機関が多いのもありがたいところです。
《追記》
相互リンク先の先輩ブロガーじゅん@さんが、ちょうど今月発行分のキャンペーン情報等をアップしています。事前の打ち合わせなしで、同日同時刻のコラボ記事のようになりました。私のようにダラダラ書かずに、要点を完結にまとめた見事なお記事を読みくだい!
→2015年11月個人向け国債発行条件が決定
◎個人向け国債のデメリット
「銀行預金よりも高金利」ではあるものの、やはり元本保証のある金融商品なので、リターンもたいしたことはありません。お金を「殖やすための置き場」というよりは、「守るための置き場」に近いと思います。
また、必要なときに必要な分だけ換金できるようになるには、購入後1年以上経過する必要があります(大規模な自然災害時や死亡時には、例外として1年を経過する必要なし)。
中途換金できるようになっても、手続き上、実際に現金を手にするまでは4~5日程度かかるので、すぐにおろせて、すぐに使えるわけではありません。途中換金に際しては、直近2回分の利子を(ペナルティとして)支払う(取られる)ことになります。
なので、日常生活ですぐに使うお金の置き場としては、あまり適していないでしょう。定期預金のように、しばらく使う予定のない大きなお金の預け先というようなイメージでしょうか。
それから、心理的な問題かもしれませんが、「結局、日本国債を買い支えるだけになってしまう」というのは事実です。個人向け国債を買うことは、「活きたお金の使い方」とは言えないかもしれません。
しかし、だからといって銀行に預けておいても、結局は銀行もそのお金の大半で国債を買うので、同じようなものです(いわゆる「預金バカ」ってヤツですね)。
それが納得できない場合は、リスク資産への投資を検討するしかありません。ちなみに私は、インデックス投資と呼ばれる投資をしています(参考記事→インデックス投資とは)。
◎で、本当に安全なの? リスクはないの??
もちろん、厳密に言えば、完全に「無リスク」な資産なんて存在しません。
この個人向け国債にしても、元本を保証している保証元、つまり財務省(日本政府)が本当に安全なのか、という疑問はあります。財政破綻する国だってありますから。
しかしながら、徴税権や新たな国債の発行権を持つ国家よりも強い保証元が他にあるとは考えにくい。万が一、その国家(政府)がダメになるようなときは、そもそもどこに預けておいても無事で済む可能性は極めて低いと考えるのが現実的でしょう。
非常事態をどこまで想定するのかという問題は、生きていくうえで目を背けてはならない大切なものですが、どこかに線引きは必要です。あまり過敏になりすぎると、お金の問題を飛び越えて、隕石落下を警戒することなどになり、普通に外出することすらできなくなってしまいます。
《参考関連記事→最悪の状況をどこまで想定するのか》
たまに、政府の財政破綻を前提として、国家に立ち向かうような投資を推奨する人もいますが、そのような主張をする人はまともに相手をしてはいけないと思います。まぁ、可能性がゼロというわけではないので、話を聞いて考えてみるくらいなら頭の体操になっていいとは思いますが、最後は自己責任でよろしく!ってなカンジです。
※個人向け国債よりは低利率ですが、預貯金以外の安全資産の置き場として優れているMRFとMMFについても、近いうちに簡単に説明記事を書いてみようと思っています。
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