米経済誌『フォーブス』は5日までに「世界で最も影響力のある人物」73人のランキングを発表し、内戦が発生したシリアの空爆に踏み切り、欧米と対立を続けるロシアのプーチン大統領を3年連続でトップに選んだ。ギリシャ債務危機やシリア難民問題で存在感を示したドイツのメルケル首相が2位だった。一方、就任以来1-2位をキープしていたオバマ米大統領は3位に順位を落とした。
プーチン大統領は欧米の反発にもかかわらず、昨年はウクライナ問題、今年はシリア問題に積極的に介入し、ソ連崩壊後、弱まっていたロシアの存在感を回復させたと評価された。同誌はプーチン氏について「やりたいことができ、うまくやってのけるパワーを備えた、世界でもまれな人物」と評している。
メルケル首相は、国内では景気低迷の中で経済の安定を図るため孤軍奮闘し、国際舞台ではギリシャ危機やウクライナの内戦、過激派組織「イスラム国」(IS)問題などに積極的に関与したことが評価され、昨年より順位が3ランクアップした。
昨年の2位から1ランクダウンしたオバマ大統領は、今年は米国経済の好況と環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意などを追い風に支持率を上げ、「任期末のレームダック(死に体)化」の懸念を払拭(ふっしょく)したと評価された。だが同誌は「プーチン大統領とメルケル首相の存在感の陰に隠れた」と説明した。
4位はローマ法王フランシスコ、5位は中国の習近平国家主席で、この5人が3年連続でトップ5をキープした。また、インドのモディ首相は活発な首脳外交により政治・経済面でインドの存在感を示し、今年は就任1年目の昨年に比べ6ランクアップの9位となった。
アベノミクスや米国との同盟強化、安全保障関連法の成立など、次々とイシューを作り出してきた日本の安倍晋三首相は、昨年の63位から大きく順位を上げ41位となった。このほか、ISの掃討に向けた米国主導の作戦が行き詰まるなか、隠れて暮らすISのバグダディ指導者は57位と、次期米大統領選の有力候補であるクリントン前国務長官(58位)よりも1ランク高かった。
韓国人のトップは33位の李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長。昨年は父の李健熙(イ・ゴンヒ)同会長と共に35位に入ったが、闘病中の李会長は今年のリストには入らなかった。このほか、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が40位、朴槿恵(パク・クネ)大統領が43位だった。