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懐かしさ、切なさ、今っぽさ…おじさんの心つかんだ「あまちゃん」
日経エンタテインメント!編集委員 品田英雄

(2/2ページ)
2013/7/21 6:30
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(4) おじさんは今となっては故郷が懐かしいかも

 おじさんたちは田舎のダサさが嫌いで都会に出てきた。マンションに住み、スーツを着て、外車に乗り、カフェバーでデートして、シティーボーイと呼ばれるのが理想だった。だが、50歳にもなると、全国どこへ行っても東京と変わらない風景に物足りなさを感じるようになった。そんな時、故郷の同窓会でお国なまりを聞いたりすると温かい気持ちになる。

 お中元にも田舎のモモやさくらんぼを贈るようになったおじさんも増えた。そして、最近の女子高生は方言が好きらしいと聞くと、なぜかほっとしてしまう。全国からアイドルをめざして集まる女の子たちの言葉遣いに、上京してなまりで悩んだ自分の姿をかぶせている人もいる。それがおじさんたちの心を熱くさせている。

(5) おじさんはひそかに小劇場の影響を受けている

 おじさんの世代は小劇場ブームの支持者であり、無意識にその空気を吸ってきた。「あまちゃん」には小劇団出身者が数多く関わっている。脚本の宮藤官九郎は劇団大人計画の所属だし、古田新太(劇団☆新感線)、渡辺えり(劇団3◯◯)、片桐はいり(ブリキの自発団)、木野花(青い鳥)、吹越満(WAHAHA本舗)、マギー(ジョビジョバ)などのそうそうたる顔触れが出演している。脚本にもエチュードと呼ばれるアドリブで演じるという部分がある。「あまちゃん」の持つ、従来の芝居とは一線を画し自由でゆるい雰囲気をおじさんは支持している。

 こうした要素がおじさんたちの興味を引いている。だが、単なる懐かしモノではここまでのヒットにはならなかっただろう。すべてが、現在、そして若者とつながっているところが「あまちゃん」の本当のすごさだ。

80年代の人気番組「ザ・ベストテン」を思い出させるシーンも。司会者役の清水ミチコ、糸井重里も当時の黒柳徹子、久米宏そっくり。ランキングに表示されている歌手名・歌名も当時のヒット曲を連想させる(c)NHK
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80年代の人気番組「ザ・ベストテン」を思い出させるシーンも。司会者役の清水ミチコ、糸井重里も当時の黒柳徹子、久米宏そっくり。ランキングに表示されている歌手名・歌名も当時のヒット曲を連想させる(c)NHK

 数度にわたる再放送や総集編の放送、BSやFMラジオを含めての関連番組、インターネットやソーシャルメディアを活用しての情報提供、ネットオンデマンドサービス、今でなければできないさまざまな工夫がされている。また、細かい部分のこだわりと遊びがネットで盛り上がる。

 大学時代の友人は、天野家が買ったテレビはTAKUMI製だが、これはNHKのドラマ『メイド・イン・ジャパン』で出てきたメーカー、鈴鹿ひろ美は「ジョジョは、奇妙な冒険よね」とつぶやく、糸井重里と清水ミチコが司会する番組はTBSの「ベストテン」を思い出させる。などなど細かい点を毎日つっこんでいる。

 ドラマと遠かったおじさんたちは、今日も「あまちゃん」を見て、このこだわりは若いヤツらにはわからないだろうと自己満足しつつ、アイドルを応援していた若き日を思い出しているのだ。(文中敬称略)


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「あまちゃん」、お茶の間で大人気

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