青森県六ヶ所村の再処理工場は、操業開始に向けて建設が進められています。しかし使用済燃料の発生量と処理量を考えると、従来までの原子力発電所内での貯蔵に加え、発電所外において使用済燃料を貯蔵する施設が必要です。
中間貯蔵施設の役割と現状
電力各社の使用済燃料貯蔵においては、発生状況に応じてリラッキング、乾式キャスク貯蔵など発電所構内での貯蔵、号機間移送、中間貯蔵施設の立地など必要な対策をおこなっています。
今後は各社の使用済燃料の貯蔵量を見極めながら、必要な対策を計画的に着実に進めていきます。
青森県むつ市では、東京電力と日本原子力発電が、2005(平成17)年11月に「リサイクル燃料貯蔵センター」を設立しました。その後、使用済燃料を貯蔵する「リサイクル燃料備蓄センター」の工事を開始し、2013(平成25)年8月には燃料貯蔵建屋が完成しました。また、2009(平成21)年1月には中部電力が浜岡1号機、2号機の運転終了に伴い、使用済燃料を再処理工場に搬出するまでの間、同発電所の敷地内に「使用済燃料乾式貯蔵施設」の建設を公表しました。
貯蔵方式
貯蔵方式としては、現在、発電所で実施されている「プール方式」と「キャスク方式」を検討しています。
プール方式は、燃料から出る放射線の遮へいや熱の除去を水で行います。
キャスク方式は、密閉容器(キャスク)によって放射線の遮へいや除熱を行います。
プール方式は当初から相当規模の施設が必要であるのに対して、キャスク方式はモータのような動的な機器がほとんどなく、運転・保守・点検が容易にでき、貯蔵の必要量に応じてキャスクをつくることができるなどの利点があります。
また、キャスク方式は国内外で使用済燃料の輸送にも使われており、長年の使用実績からみても搬入・備蓄・搬出に優れた安全性を有していると評価されています。
なお、むつ市に建設を進めている中間貯蔵施設はキャスク方式を採用しています。