文/アラン・クルーガー(プリンストン大学教授)
NY州の最低賃金を時給1800円に!
米連邦が定めた最低賃金は、2009年以来、時給7.5ドルのままだ。こうした状況に対し、議会は行動を起こすことを拒否している。
しかし民主党の政治家たちは、最初は時給10.10ドル、次に12ドル、そして今は15ドルと徐々に目標額を上げ、入札合戦さながらの様相で最低賃金上昇の提案をしている。
調査が示唆するところによると、最低賃金を時給12ドルに設定した場合は、低賃金労働者にとりマイナスよりプラス面が多いが、国としての最低賃金を時給15ドルにすると、それは我々にとって未知の世界となり、望ましくないリスクや意図せぬ結果をもたらしかねない。
米議会が最低賃金の引き上げを遅らせている場合、通常、州や市が介入し自らの最低賃金を引き上げることになる。今まさにそれが起こっている。
米国の人口の60%が住む半分以上の州では、すでに連邦の水準を超えた最低賃金が適用されている。
アラスカ、アーカンソー、ネブラスカ、サウスダコタのいわゆる「レッド・ステート」と呼ばれる保守的な4州の選挙人たちですら、昨年、最低賃金を時給9ドル75セントという高さにまで引き上げることを圧倒的に支持した。このことは、国民全体が最低賃金引上げを支持していることの証と言えよう。
最低賃金を時給15ドルにまで上げることを計画している都市もある。この9月、アンドリュー M.クオモNY州知事は次のように宣言した。
「ニューヨーク州で働くすべての男女は、最低賃金の時給15ドル(1800円)をもらって当然だ」
最低賃金と雇用にまつわる「誤解」
最低賃金についての研究を始めた25年前、当時の多くの経済学者同様、私も、最低賃金を設定すると、一定の労働者グループの雇用が減少すると考えていた。
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