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本日紹介いたしますのはこちら、「会話」第1巻です。
作者はナラボン先生。
講談社さんの少年マガジンKCより刊行、マガジンSPECIALにて連載されています。

ナラボン先生は11年に講談社さんの漫画賞を受賞し、同年にデビュー。
12年より本作の連載を開始し、めでたく単行本刊行となりました。

さて、本作はそのタイトルが示すとおり、会話をメインにおいた日常ギャグ漫画です。
主人公となる二人の女子高生の会話をひたすら描いていく本作ですが、ただの日常を描いていくだけではないちょっぴり捻りの聞いたギャグが楽しめるのです!

天井ちよ子、通称チョコは高校一年生。
彼女は校庭の芝生に腰かけ、ぼーっとグラウンドを見つめていました。
その視線の先では、サッカー部が練習を行っています。
そんな中で彼女の視線を捕らえて離さないのは、同じクラスのサッカー部、池田君。
見るからにイケメンと言ったビジュアルの彼ですが、最近チョコはどうしても彼のことが気になって仕方なくて……
その気持ちってやっぱりアレでしょうか。
思わずその気持ちを一人つぶやいてしまうチョコ。
やっぱ私、池田君に恋……してるのかな?
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その時初めて気がついたのです。
彼女のすぐ後ろに、何者かがそっと立っていたことを!!

その何者かは、同じクラスの大石もなかでした。
何故自分のすぐ背後にもなかが!?と言う疑問もありますが、それよりも何よりもまずは今の呟きを聞かれてしまったのかどうか、と言うことのほうが問題です!
慌てて、今の聞こえた?と尋ねてみると、もなかは尋ね返してきました。
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悪霊のうめき声?と……
そんなものが聞こえていたらそれはそれで恐ろしいですが……だからそこじゃないんです!
違う、今私が言った事が聞こえたのか?と改めて尋ねてみると、もなかはつまりあなたが悪霊ってこと?と、そっちの方を活かして受け取ってしまうのでした!

もなかはいつも一人で居る、ミステリアスな雰囲気のある美少女です。
クラスメイトの談によりますと、「変わった子」だと言うことで、チョコもまた今まで一言も会話を交わしたことはありませんでした。
それがまさか、こんな形で初会話をすることになるとは……
とにもかくにも、今はそれ二巻して考えている暇はありません。
もう一度聞くけど、私の呟き聞こえちゃった?と改めて尋ねるチョコ。
ですがもなかは、今度はツイッターの話?と相変わらず要領をえませんで。
でも、ここまで話がかみ合わないと言うことは、聞こえていなかったと言うことではないだろうか?
聞こえてないならよかった、それじゃぁまた、といい残して足早にその場を去ろうとするチョコなのですが、そこでもなかは声を張り上げて引き止めてきました。
あなたが言ったこと、聞こえてないとは言って無いけど。
……出し抜けに告げられた言葉に、チョコは冷や汗を流します。
ふいに立ち込め始めた重苦しい空気の中、おもむろにもなかは続けるのです。
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聞こえたとも、言って無いけどね……!!
結局どっちなのか!?これじゃ振り出しに戻っただけじゃないかと思わず突っ込むチョコ!!
もなかは前に進んだと思ったらまた振り出しに、人生みたいね!と謎の例えをあげたあと、シリアスな表情でいい始めました。
安心して、残念だけど何も聞こえなかったから。
あと、ごめんなさい。
天井さんと話すのが楽しくて、つい引き止めてしまったこと。
またまた突然発表された衝撃発言。
ですが今回のその言葉は突拍子のないものではなく、なんだか嬉しい感じの発表じゃありませんか!
もしかしてもなかは好きで一人で居るのではなく、少し不器用なだけで本当は皆と仲よくしたいんじゃないのか?
そう感じたチョコはスッと右手を差し出し、握手を求めます。
もなかも少し恥ずかしそうにしながらもそれに応え、二人は硬い握手を交わすのでした!!
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……という感動のシーンで、もなかは口を開きました。
ひとついい忘れていたが、さっきのは確かに聞こえなかったものの
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たまたま録音していた。
またもや衝撃の、そして今度こそビンゴな発表をされ、慌てふためいてそのデータを消してと詰め寄るチョコ!
ですがもなかは、後ろに傾きながらスライドしていく謎の走法、「恋……してるのかな走法」で逃げていくのでしたとさ……

というわけで、独特のセンスを持つ美少女、もなかと彼女に翻弄される恋する少女、チョコの会話を描いていく本作。
何の因果かこの騒動で仲良しになった二人は、いろいろあって部活まで一緒になったりしまして、いつでも一緒に行動していきます。
その日常風景は、単純な学校生活に終わりません。
3話目にしていきなりブラジルに行ってみたかと思えば、埼玉を地図から消す威力を持つ隕石が降ってきてみたり、二人っきりで無人島に漂着してみたりとバラエティ豊かな(?)日常を繰り出してくるのです!
物語をいろどるキャラクターも数名登場したりするのですが、あくまでメインはチョコともなかの二人。
二人の間に割っては入れる登場人物はいるのか!?
池田君への想いを告げられる日は来るのか、というあれはもうどこかにいってしまうくらいの、二人の世界が楽しめるのです!!

会話で世界は回っていく?「会話」第1巻は全国書店にて発売中です!
日常モノとはいいづらいくらいイベント満載の日常を過ごしながら、なんだかんだとギャグで乗り越えていく本作。
のんびりしていながらも切羽詰ってもいる独特の味わいが愉快ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!