アイルランドの女性たち、生理周期を首相に抗議ツイート
- 2015年11月6日
アイルランドの女性たちが、ケニー首相に自分たちの生理周期をツイートで知らせている。アイルランドでは母体に緊急の危険が迫っている場合以外は人工中絶が禁止されており、女性たちのツイートは憲法改正を求める抗議の一環だ。
アイルランドのコメディアン、グローニャ・マグワイヤさんが2日、人工中絶を禁止する憲法の第8次改正の撤回を求める運動を広く周知するため、首相へのツイートを開始した。
1983年の第8次憲法改正は、胎児の生きる権利を母親の生きる権利と同等に扱い、人工中絶を禁止した。
多くのアイルランド女性がすぐにマグワイヤさんに同調し、「#repealthe8th」(第8次改正撤回を)というハッシュタグがアイルランドでトレンド入りした。
アイルランドで憲法を修正するには国民投票が必要となる。
中絶選択の権利を支持する複数団体は、第8次憲法改正撤回の是非を問う国民投票の実施を呼びかけている。国際人権団体「アムネスティー・インターナショナル」主催でケニー首相に憲法改正を呼びかける署名には、4万7000人以上が署名した。
マグワイヤさんは「アイルランド国家が私たちの生殖器のことを本当に気にかけてくれているので」、自分たちの生理周期を首相に伝えるのは自分たちにできるせめてものことだと説明している。
アイルランド中から女性たちが次々と、自分の生理周期について首相に知らせ始めた。
ほかの人たちは中絶を禁止する法律が自分にどう影響したか、首相あてにツイートした。
ケニー首相はまだ返信していない。
今年6月のアムネスティー報告は、妊娠した女性がアイルランドに留まると、自分たちの健康や生命を危険にさらすことになると警告している。
アムネスティーのサリル・シェティー事務局長は、アイルランドでは「女性を子供を生む装置のように扱う憲法のせいで、女性の人権は日常的に侵害されている。中絶を必要とする女性は犯罪者のように扱われ、名誉を傷つけられ、海外への渡航を余儀なくされ、精神的・肉体的健康に深刻なダメージを受ける」とアイルランドの状況を厳しく批判した。
2月には、致死性の先天的疾患を理由にした中絶の合法化を求める法改正案が議会に提出されたが、アイルランド議会はこれを否決した。
(英語記事 Irish women tweet periods to Enda Kenny in abortion protest)