【ソウル聯合ニュース】韓国で中学・高校の歴史教科書の検定制をやめ、国定化に一本化する方針が決まったことに対し野党が強く反発し、国会が2日間連続で空転している。最大野党・新政治民主連合は4日も予算決算特別委員会など全ての国会日程を拒否し、国会で2日から始めた座り込みを続ける方針だ。
新政治民主連合は5日の本会議もボイコットする強硬姿勢を示しており、国会の空転が長期化するとの懸念が出ている。ただ、経済活性化に向けた法案などが山積しているほか、国会ボイコットを非難する声が上がる可能性もあることから、座り込みや審議拒否を長期的に続ける計画はないとされる。早ければ5日、遅くても来週初めには国会に復帰するとの見通しもある。
韓国では朴槿恵(パク・クネ)大統領の父、朴正煕(パク・チョンヒ)氏が大統領だった1974年から国定歴史教科書が使われてきたが、金大中(キム・デジュン)政権の2002年に検・認定制度が一部導入された。11年には完全に検定制に移行した。朴槿恵政権は、現行の歴史教科書に北朝鮮寄りの記述が多く含まれているなどとし、政府がつくる国定教科書に変更する方針を決定した。ただ、歴史学界や野党は日本による植民地時代や朴正熙元大統領による軍事独裁を美化する目的があるなどとして、強く反発している。