韓国の対中貿易黒字が最近2年で毎年10%以上減少している。これまで対日貿易赤字を埋め合わせる役割を果たしてきた対中貿易黒字が目減りし、韓中両国の貿易構造の変化を指摘する声が上がっている。1992年の韓中国交正常化以降、今年9月までの対中貿易黒字は累計で4799億ドル、同じ期間の対日貿易赤字は4579億ドルとなっている。
対中貿易黒字減少の直接的な要因はいわゆる「新常態」に尽きる。成長率低下に直面した中国が輸入代替産業を育成し、内需中心の成長政策に転換したことによるものだ。中国の部品・素材産業が成長すると、韓国の対中主力輸出品目である中間財に取って代わることになる。専門家は「中間財輸出に依存する方式を改め、中国の内需市場を積極的に攻略すべきだ」と指摘した。
■対中貿易黒字、急激に縮小
対中貿易黒字の規模縮小はペースがますます加速している。韓国経済研究院は3日に発表した報告書で、2009年以降数年増加した対中貿易黒字が13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと12%減少したと指摘。今年1-9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。
これは中国経済の成長鈍化で韓国の対中輸出が不振だったことが主因だ。13年に8.6%増加した韓国の対中輸出は、昨年0.4%減少したのに続き、今年1-9月も3.8%減少した。対中輸出主要10品目の輸出伸び率も今年1-9月に大半がマイナスとなった。電子応用機器(携帯用カード端末機、LED照明なお)ち石油製品の輸出はそれぞれ65.8%減、35.7%減だった。半導体(14.8%増)、平面ディスプレー・センサー(35.1%増)が伸びを維持したのがせめてもの救いだ。
中国からの半導体輸入は増えている。今年1-9月の中国からの主要輸入10品目の伸び率は1.6%だった。特に半導体、平面ディスプレー・センサーの輸入がそれぞれ45.4%、2.8%増えた。韓国経済研究院のキム・ヨンシン研究委員は「半導体とディスプレーの分野で中国メーカーの技術力が向上し、低価格品中心に韓国市場を侵食している」と指摘した。
中国の輸出全体に占める加工貿易の割合が低下したことも韓国にとっては致命的だ。加工貿易の割合は05年の42%から昨年は26%に低下した。中国企業が韓国から中間財を輸入し、加工と組み立てを行った後で輸出する加工貿易が減り、韓国の対中輸出が落ち込んだ構造だ。