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福島第一原発付近でモミの木の生育異常が増加、98%の場所も

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福島第一原発事故による福島県の帰還困難区域内で、モミの木の生育異常が増加していることが、環境省の調査でわかった。放射線医学総合研究所(放医研)が8月28日に発表した。

正常なモミの木は、まっすぐ幹が伸びているのに対し、放射線量(空間線量率)が特に高い地域のモミの木は、幹の先端の「主幹」と呼ばれる芽がないものが多かったという。最も空間線量が高い地域では、98%に異常が見つかった。

japanese fir trees around the fukushima daiichi nu
モミの形態変化:矢印は、主幹の欠損位置を示す。 A:正常、B:変化(側枝が垂直に立ち上る)、C:変化(側枝が水平に拡がる)

調査は2015年1月に行われ、福島第一原発に近い福島県の3カ所と、放射線の影響が少ないとみられる茨城県の1カ所で、モミの木を比べた。

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NHKニュースによると、具体的に異常が見つかった割合は、原発から3.5キロ・放射線量が毎時約34マイクロシーベルトの場所(S1)で98%、原発から8.5キロ・毎時約20マイクロシーベルトの場所(S2)で44%、原発から15キロ・毎時約7マイクロシーベルトの場所(S3)では27%だった。一方で、原発から75キロ離れた0.13マイクロシーベルトの場所では5.8%にとどまった

放医研は、明確な因果関係は分からないとしながらも、原発事故で放出された放射性物質が影響している可能性があると説明している。チェルノブイリ事故の事例などでマツなどの針葉樹は放射線の影響を受けやすいとされるが、動物による食害や病気、冷害などによる変化の可能性もあるという。

なお、環境省は44種の動植物を調べているが、ほかに目立った変化は確認されていない。

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